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小説(継続中)
神サマの忘れ物
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あの青空に祈りを捧げ
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即興小説トレーニング置き場
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小説(完結)
突出幼心あくりょうちゃん
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オレと兄貴と私がいるから
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祭囃子~記憶の隅に~
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祭囃子~聖なる夜に~
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ボクはネコ
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フタツヤネノシタ
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魔女の契約
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暗黒の契約
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いのししレース ピキョ村のキピ
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おにぎり落ちたそのまま食べた
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天使見習い頑張らない
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せくすちぇんじッ!
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俺が我が家にやってきまして……。
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小説(二次創作)
メルト
1

ある死神は
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神サマの忘れ物 第4話


・神サマの忘れ物 第04話

『彼女とぶつかった老人、その人が落とした大切なものは彼女が持っている。俺は神様と名乗る人物と出会いお使いを頼まれる。そこで手に入れた三つの能力……そして俺は人と100回話すと消えてしまう……』









「まぁ、寒いから私の部屋に入って」

「あぁ……」

5回目。俺は勧められるままに部屋に入った。そして、田中さはベランダの窓を閉じて、俺に座るようにいうかのような仕草をした。

そのまま、俺は座ったが田中は窓にもたれたまま話かけてきた。

「だけど……なに?」

「そう、俺は確かにあの時死んだ……けど、あの世だか知らないけど、そこで神様とかいう老人に出会ったんだ」

6回目。これは田中に話すというよりも俺自身に起きた事の確認になりそうだ。

「鈴木君、神様に会ったんだ……いいなぁ」

とても羨ましそうに俺の事を見ている。

「それで、神様はどんな感じ人だった? 優しそうだった?」

「まぁ、怖くは無かったな」

7回目……

「ふ~ん、良かった。私、安心して天国に行けるなぁ」

田中は、ホッとしたというように手を胸に当てた。

「ちょっと待て! お前、まさか……」

8回目。俺は彼女が自殺を考えているのじゃないのかと思って叫んでしまった。

「し~、お母さんが起きちゃう。今、私が自殺しようとしているんじゃないかと思ったでしょ……私、本気だよ」

田中は急に本気(マジ)な顔になった。そして俺は、焦って立ち上がった。

「やめろ、田中……」

9回目。俺は田中の肩をガッと掴んだ。田中は怯えた顔で俺のことを見ている。

「けど、今は平気……だって、鈴木君が帰って来たんだもん」

田中は突然笑顔になった……まさか、俺が原因で考えているのか? 俺には『制限時間』がある。自然に田中の肩を掴んでいる手に力が入る。

「簡単に自殺なんか考えるもんじゃない……」

10回目。俺が本気な顔になると田中も合わせて本気な顔になった。

「頼むから最後まで聞いて欲しい。俺は、一回死んでみて分かったことがある。それは……植物、動物、そして人間、全ての生き物の命は二つと無いものでその一つしかない命は大切にしていかなければならない……どんなことがあっても、決して自殺なんかしてはいけない……いや、自殺という『命を捨てて現実逃避する行動』はしてはいけない。それに、俺は永遠にここに居られる訳ではない……神様から渡された時間、それは『人と100回話すまで』なんだ。100回を消化しきった時俺はこの世界から完全に消える」

11回目。田中はもう泣く寸前の状態だった。俺は優しく抱いて声をかけた。

「悪かったな……」

12回目。もはや、俺が何を言っているかも分からなくなってきた。ただ、田中は涙を流しながら顔を横に振っていた。

「今、何回目?」

「これで、13回目だ……」

「これ以上、何も話さないで……」

田中は途中で泣き崩れた。

「頼む、もう少しだけ話させてくれ」

14回目。俺はしゃがんで田中の目線に合わせた。

「俺の頼まれたお使いが終われば、しばらくは自由になる。だが……」

「……私でも何か手伝えることあるかな?」

「悪いがこれは俺の問題だ……強いて言うならばしばらくこの家にいさせて欲しい。一般世間では、俺が死んだことになってるし、このことを知っているのはお前だけなんだ」

16回目。

「殆ど話さなくてもいいようにいつもウサギさんでいてくれたらいいよ」

田中は涙目の笑顔かつ意地悪そうに言った。俺はもちろんそれを覚悟だったのでうなずいてた。

「頑張ってね、鈴木君」

「俺のことはこれからは『涼太』でいいよ」

「何で?」

「だって、俺はこれから母親さんから見て田中家の『ペット』として生活するのに、そのペットの名前が『鈴木』ってのは明らかにおかしいだろ」

「そうだね……わかった、涼太君…………じゃあどうせなら、私のことも『美鈴』って呼んでよ」

「……わかった……美鈴」

19回目流石にちょっと照れくさい俺は赤面した、しかし田中……いや、美鈴も赤面していた。

「何時俺が消えるかわからないから先に言っておくけど、お前の事が好きだ」

20回目……ノリで何を言っているんだ、俺……けど、この気持ちはマジだ。

「私も好きだよ、涼太君」

美鈴はまた涙を流し始めた。俺は、無駄に回数を増やさないように声を出さないで、美鈴の頭を撫でた。

「あっ、そうだ。明日は学校だから早く寝なきゃ」

思い出したかのように美鈴は言った。

「そうだな……まぁ、死亡したことになっている俺には関係ないけどな」

「だから、涼太君はもう喋らないでよ」

美鈴は充血した目で俺のことを見ていた。

「あぁ、わかったわかった」

21回目。俺は仕方なく目を閉じてウサギの姿になった。

「おやすみ、また明日ね」

そう言って美鈴は部屋の電気を消してからベットに横になった。俺は床のカーペットの上で丸くなった。

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