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ある死神は
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暗黒の契約 第2話


窓の方を見て、近所のおばさんを発見した『加藤 祝詞(かとう のりと)』は窓に体を預け杖を持ち直した。

「さて……何を願うか……」

一瞬目線を勉強机に移した彼は、子どもの頃に読んだ魔女が出てくる絵本を見つけた。その魔女は町の人々を動物に変え、挙句の果てにはその人々から制裁を受けるという話である。

「ふん、くだらない。俺としたことが、『おばさんを狐に変えたい』だなんて……」

祝詞が目線を戻した瞬間、杖が激しい光を放った。

「な、なんだ……!」

光が納まり、自分の願ったことに気が付き慌てて窓を開けておばさんの状態を確認した。だが、そこのあったのはおばさんの荷物と服のみであった。

「まさか……」

暫く観察していると、服の中から一匹の動物が出てきた。狐である。まるで自分の体ではないかのように、あたふたして動揺している。その後、狐はぎこちない歩きでどこかへ去って行った。

「これから、楽しくなりそうだ……」

祝詞は窓を閉めて、息を漏らすかのように笑った。杖のカウンターは『1』を示していた。

窓に体を預けたままの姿勢で杖を観察していた。もはや自分に出来ないことは無い。ボタンを押さなければこの杖は使い放題だと、思う彼。しかし、これは大きな間違いである……それには気付いていない。

突如、彼の部屋のドアが開いた。彼の母親が入ってきたのだ。

「お、おふくろ!」

彼はこの杖を見られたらマズイと思った。しかし、母親の目には杖なんか映っていないようだ。

「帰ってきたとたん自分の部屋にこもって何やってるの? そろそろ塾の時間でしょ、準備しなさい」

母親は言うことだけを言って、部屋から出て行った。面白くない祝詞は杖を強く握った。

「俺のおふくろをころ…………ばせ」

躊躇しながらもそう言うと、階段から激しい音が聞こえた。きっと母親が階段から転がり落ちたのだろう。塾に行くのも億劫なので再度杖を強く握る。

「塾なんてもの、消えてしまえ!」

今度は叫ぶように彼は言った。直後に祝詞の背後から大きな爆発音が聞こえた。

「……っ!」

流石の彼も焦った。方向的には塾の方角である。何を思ったか、彼は杖を持ったまま1階のリビングのテレビをつけた。途中、母親が横たわっていたが気絶していたようなので彼はそのまま飛び越えて行ったのである。

『先程、○×町3丁目で大きな爆発がありました。怪我人は無くビルが1棟全壊しただけでした。次のニュース――』

祝詞は立ち上がって、テレビを見る映っていたには彼の通う塾のあるビルであった。達成感や罪悪感、その他色々な感情がこみ上げた。カウンターは『3』を示す。この数字は増えるのみである。

「これは……すごい……何でもできるぞ……」

再び彼は2階にある自分の部屋へ向かった。倒れている自分自身の母親すら見ずに。

「この杖は誰にも渡さない……」

これが人間が壊れていく瞬間なのだろうか、彼の頭の中にあるのは名前のコンプレックスでも自分の生活が憂鬱なことでもない。この杖をどう使用していくかだけだった。

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AMaRo Project. 2014