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いのししレース ピキョ村のキピ
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小説(二次創作)
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ある死神は
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いのししレース ピキョ村のキピ 第1話


小さな小さな少年が誇らしげに木でできたトロフィーを両手で持ち上げている。







『さぁて、今年も始まりましたぁ! いのししレース、今年は誰が優勝するのかぁ!?』

鳥に乗っている実況の声がピキョ村に響き渡った。スタートラインである村長の家の前に多数の人々がいのししにまたがっている。

ピキョ村に住んでいる『ピキョ族』は小さな所属で大の大人でさえ50センチにも満たない位の身長の種族である。そして、ピキョ村では、年の初めにそれぞれの家族で飼っているいのししの力を試すべくいのししのマラソン、すなわち『いのししレース』を行うのだ。


『では、皆さん! 準備はよろしいでしょうか!?』

その声で、全員すぐにスタートできるような体勢になった。しかし、一人だけとても自身が無さそうな表情をしていた。

「だ、大丈夫かな……」

彼の名前は『キピ』、ピキョ族の少年である。因みにピキョ族には特殊な能力を持っている。それは、触った動物と気持ちを分かり合えるというものである。

「ウリ……しっかり走ってくれよ」

キピはまたがっているいのししの『ウリ』の頭を撫でた。だが、ウリは起きているのか寝ているのかわからないくらいの目でキピのことを見た。

キピは今年初めてこのレースに出るのだがウリは重症なマイペースで、走りも常に一定なのである。

『よ〜い スタート!!!!』

実況が叫ぶと、一斉にいのしし達が駆け出しものすごい砂埃が舞い上がる。


『お〜っと! 先頭をぶっちぎりなのは毎年優勝している「キロ」の操る「ウラ」だぁ〜! そして、その後ろの激しい乱闘の集団……最後尾は初出場のキピとウリ、今年もほとんど同じ並びとなっております!』

「ちょっと……恥ずかしいよぉ。ねぇウリ、もう少し早くできない?」

キピは顔を赤くして言った。しかし、ウリは転寝しているのかわからないくらいでうなづくが、一向に早くはならなかった。


草原を越え、川を越え……キピとウリの前の選手が小さくなっていき、挙句の果てには見えなくなってしまった。



――その後、レースは終盤に向かうにつれ、最後尾と最後尾から2番目との距離が離れていった。その内、先頭がゴールをしていた。

『ゴール! この激しいレースを勝利したのは、今年もキロとウラだぁ〜! さらに次々にゴールをしていくぅ〜!』


一方その頃、キピ達はぶっちぎりの最後尾を走っていた。

「ねぇ、きっとみんなゴールしちゃってるよ。早くしようよ」

キピがいくら急かしても、ウリは全く聞いていないようだった。

「ねぇ…………っ!」

突然ウリが暴れだして、キピが大きく揺らされた。

「今度はどうしたの!?」

キピは360゜見渡した。すると、右斜め後ろの方向から、もうゴールしていたと思われる少年らがウリに向かって石を投げつけていたのだ。

「てめぇらは、遅すぎんだよ! このいのししの毛皮を着た、亀め!」

その言葉にキピはショックを受けた。しかし、少年らは投石を止めなかった。しかも、ウリは暴れ続けていた。

「ウリ……大丈夫、大丈夫だから」

キピは何度も振り落とされそうになりながら、ウリの頭を撫で続けた。





苦労すること小一時間、キピとウリは最下位から2番目の選手と相当差をつけられたものの何とかゴールができた。しかし、掛けられた言葉は冷たいものだった。

「来年はもっと早くゴールするように」だとか「表彰する時間が延びた」だとか、決して「よく頑張ったね」とかは言われなかった。


そして、キピは家に帰るなり、すぐベットに横のなるなり、眠ってしまった。




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