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あの青空に祈りを捧げ
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突出幼心あくりょうちゃん
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俺が我が家にやってきまして……。
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小説(二次創作)
メルト
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ある死神は
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俺が我が家にやってきまして……。 第11話


「あのね……」

 沈黙の中、そっとゆうきが言葉を発する。
 水面が少し揺れて、二人の背中がそっと動く。

「本当はね、少し怖かった」
「怖かった?」
「うん……」

 優希がふと振り返るが、すぐに顔を背ける。
 水着を着ているいえど、流石に気恥ずかしい。

「魔法陣を書いてね、煙に包まれた次の瞬間には男になっているって確信してたの」
「俺もそうだった」
「でも、何かに頭をぶつけて、煙が晴れた次の瞬間には自分が男になっているんじゃなくて、男の自分の顔が目の前にあったんだもん」
「俺もびっくりだった」
「それとともに、私はあなたの世界にやってきてしまった。帰る方法なんてなくて、知り合いなんて誰もいない世界で一人ぼっちなのかと思った」
「……」
「でも……でもね、あなたや友ちゃん、この世界のお母さん、みんなが優しくしてくれた。私という存在を認めてくれた」

 唐突に現れた別世界の少女。
 それをなんの疑問も思わずに、認めたのは確かである。
 ゆうきの震える声、しかしどんな表情をしているかまでは優希にはわからない。
 泣いているのか、笑っているのか、それとも……。

「ありがとうね」
「いや、自分の運の良さに感謝するんだな。例えば、いろんな世界の俺が魔法陣を書いてたとする。成功した世界もあっただろう。お前みたいに移動した奴もいただろう。でもな、すべての世界が俺みたいにお人好しか? きっとそうでもない」
「もしかしたら……」
「襲われてたかもな」
「うう……」

 この世界にたくさんの人がいるのと同じくして、俺自身もたくさんいるに違いない。
 狂気じみた俺、もっと頭のいい俺、俺に限りなく近い俺。きっと、たくさん。

「だから、それは安心しろ。お前の身の安全は確保できてるし、いつになるかわからないけど、元の世界にも戻してやるよ」
「う……」
「う?」
「うわああああああん!!」
「――ッ!?」

 ただせさえ狭い浴槽で、ゆうきは身体を反転させ、今までくっついていた優希の背中に自分の身体をガバっと預ける。
 急な行動に優希は対処できるわけもなく、そのまま抱きつかれる姿勢になる。
 しゃっくり声が、浴室に響く。

「怖かった……それで、安心したら……なんか……ね」

 ナイロン生地ごしに感じる僅かな胸の感触、自分自身いえど微かに匂う女子の香り。
 優希の高鳴る心拍が、ゆうきに伝わることが無いよう祈りつつ、その行動をそのまま受け入れる。
 自分でも、女子……いや、男女なんて関係ない。世界を渡ってきたんだ。
 知り合いは本当にいなかったはずだ。
 それでも、すぐに安心できる場所が確保できた。
 本当に運がいい。ゆうきという少女は。

「ああ、大丈夫だから、大丈夫だからな……」

 自分を慰めるなど、やはり違和感を覚えるが、今ばかりはそんなことは言っていられなかった。
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AMaRo Project. 2014