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神サマの忘れ物
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あの青空に祈りを捧げ
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突出幼心あくりょうちゃん
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オレと兄貴と私がいるから
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俺が我が家にやってきまして……。
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小説(二次創作)
メルト
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ある死神は
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俺が我が家にやってきまして……。 第22話


「それにしても、友永たちはどこに行ったんだろうな……」
「確かにそうね……まあ、多分」
「多分?」

 優希と沙苗は、友永たちとの合流を頭に浮かべながらまずは流れるプールを一周した。
 それでも、一向に姿を見る気配すらない。
 
「きっと、優希さんが気をきかせてるんじゃないのかな」
「ってことは?」
「しばらく合流できないんじゃないかしら?」
「そっか……」

 たくさんの人がプールで泳いだり、歩いたりしているので自然と優希と沙苗の距離が縮まってしまう。
 たまに、手や脚が触ってしまいその度にお互い謝り合っている。
 それに、クラスメイトのこうした水着を見る機会もないので、自然と視線がソッチの方へと向かってしまう優希である。
 ゆうきよりも、胸が大きくスポーツの経験があるためか身体が引き締まっているようにも見えた。

「あのさ、小名護くん」
「あ、うん」

 わずかに頬をそめる沙苗だが、優希はそれに気が付かないでいる。

「わたしのこと好きなんでしょ?」
「え、ええッ!?」
「……優希さんから聞いたんだけど『自分が小段くんが好きだから、あなたはわたしが好きだろう』って」
「……」

 全てが見透かされているようで、優希は言葉に詰まってしまう。

「そうだ、な。だから、古池、さんとは、目を合わせられなくて。でも、好きなのは確か」

 ゆっくり、流れるプールに合わせて歩みを進めていく二人。

「そっか。わたしはね」

 と、ここで言葉を止める。
 まるで、迷うかのように何度か唸ってから、決意をしたかのように続ける。

「わたしは、あなたのこと嫌いじゃないよ。でもね、もっとあなたのことを知りたい。悪いところも含めてね」
「え、それって……もしかして、フラれ――」
「だから、わたしに彼氏ができる前に、良いと思ったら付き合ってもいいかな」
「え、えっと……」

 それが、どういうことかわかっていない様子。

「だからもっと、"優希くん"のこと知りたいな」
「俺、女になりたい!」
「ふふ、知ってる……多分、知らないクラスの人はいないんじゃないかな」
「え、マジで?」

 その事実に、優希はどうしても気恥ずかしくなってしまい。一回、プール位潜ってから息が続かなくなってすぐに出てくる。
 魔法陣をいざ作るという時までそんな感情はなかったのに、どうしてここにきてそう思うのか。

「でも、わたしは止めないよ。優希くんがなりたいんだったら、ね」
「う、うん」
「でも、あなたはあなたのままでいて欲しい。例え、優希さんになる必要はないと思う」
「それって、どういうこと?」

 それでも、優希は沙苗と目を見て話せるようになっていた。のは、まだ本人は気がついていないようだが。

「優希さんは優希くんがもう一人の自分って言ってたけど、やっぱり二人は別の人間で、別の存在だと思う。だから、あなたはあなたでいて欲しい」
「そっか……ありがとう」
「だから、もっと優希くんの事が知りたいな」
「ありがとう……古池――沙苗でもいい?」
「いいよ。さあ、楽しみましょう。折角のプールなんだから!」

 と、沙苗は唐突に泳ぎだして優希をおいていってしまった。
 そして、あっという間に後ろから帰ってきて、

「優希くん、すごい心配そうな顔してるよ」
「だって、沙苗が急にいなくなるから……」
「ふふ。優希くんってやっぱり、面白いね」
「あ、ああ、ありがとう」

 優希も、沙苗も二人でいい笑顔をしている。
 願わくば、この楽しい時間がいつまでも。二人は同じことを思っていたが、それを口にしない以上、知る由はないのである。
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