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神サマの忘れ物
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あの青空に祈りを捧げ
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即興小説トレーニング置き場
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小説(完結)
突出幼心あくりょうちゃん
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おにぎり落ちたそのまま食べた
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せくすちぇんじッ!
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俺が我が家にやってきまして……。
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小説(二次創作)
メルト
1

ある死神は
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俺が我が家にやってきまして……。 第28話


「あった、これじゃない?」

 スペースと本棚を往復すること三往復ほど。
 早苗が「あっ」と声を漏らしてから、優希に指をさして見せる。
 優希が覗いてみると、文字は読めなかったが、人が別の空間に移動しているような絵が描かれていた。
 しかも、描かれている景色は全く一緒で、矢印が一方通行で繋がれていた。

「んー、確かに他の世界に行けるみたいだけど、元の世界に戻れるかはわからないな」
「あ、そうだね。優希さんを変な世界に送っちゃうわけにはいかないね……」
「ただ、他に本が見つからなければ、アイツに確認取ってからこれを試してみるしか無いかな」

 次のページには魔法陣が描かれていて、その次にページからは模様の詳細が描かれている。

「これなら、俺でも書けそうだな」
「じゃあ、これは借りて行きましょうか」

 早苗はその本の該当部分の最初のページに付箋を貼り付けてから読み終わった本の山とは別の場所に置く。

「じゃあ、後半分くらいだし、探しましょうか」
「ああ」

 読み終わった本を本棚に戻して、新たな本の束を持ってくる。
 パラパラページを捲って、読み終わったら次の本を読む。
 周りの目線が気にならないわけではなかったが、二人は黙々と探し続ける。


「さて、めぼしいのはあまりなかったな……」
「でも、一冊もなかったってわけじゃなくてよかったね」

 結局、先ほどの本を加えて、三冊の世界を転移出来そうな魔術の本が集まった。
 他の二冊は、優希たちで再現するのは難しそうなため、世界の転移の場所が決まっていない最初の本を採用することになりそうだ。

「じゃあ、俺が借りてくるよ」
「うん、お願いね」

 三冊の本を優希が手にとり、貸出カウンターへと持っていく。
 これでゆうきを元の世界に返してやれるのだろうか、疑問を持たないわけではない。
 ただ、他に方法もなさそうであるし、これで試すしかないだろう。

「貸出お願いします」
「あ、はい」

 貸出カウンターの女性は「え、それ借りるんだ」という表情をしていたのを優希は見逃さなかった。


「すっかり、お昼食べるの忘れてたな」

 本を借りて外に出ると、夕方になりかけそうな空模様であった。
 どうやら、昼食を摂ることを忘れて本を見続けたようであった。

「そうね。遅いけど、お昼食べようか」
「ああ、そうするか」

 と、図書館から一歩外に出た時。

 ――やっぱり。

 聞き覚えのある声と、聞き覚えのある姿が目の前にあった。

「ゆうき、さん?」

 ワンピースを着込んだ、別の世界の優希。
 その後ろには、友永がやれやれという身振りを見せていた。
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AMaRo Project. 2014