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小説(継続中)
神サマの忘れ物
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あの青空に祈りを捧げ
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即興小説トレーニング置き場
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小説(完結)
突出幼心あくりょうちゃん
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オレと兄貴と私がいるから
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祭囃子~記憶の隅に~
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ボクはネコ
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フタツヤネノシタ
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いのししレース ピキョ村のキピ
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おにぎり落ちたそのまま食べた
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天使見習い頑張らない
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せくすちぇんじッ!
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俺が我が家にやってきまして……。
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小説(二次創作)
メルト
1

ある死神は
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俺が我が家にやってきまして……。 第3話


「それだと、母さんに赤ちゃんができたみたいじゃん! もう、そんな歳じゃないよね!?」

 優希少年が叫ぶ。
 とりあえず母親、明子から携帯を奪い『事情は後で説明する。赤ちゃんはできてないから』添えて父親との通話を切った。

「でも、その子はうちの子よね?」
「なんでわかるんだよ!」

 優希少年と、彼に似た優希少女のことを交互に見て明子は自分の子どもであると断定した。

「だって、優希が女の子になるって言ってたから成功したのかなって思ったんだけど、男の子も女の子もいるもんだから」

 それに、彼女出来てないでしょ。と、さり気なく傷つくことを言われつつも、流石は母親だということを実感した。
 優希自身、変な人間だとは思っていたがその血の元をたどれば母親である。

「まあ、優希ちゃんもゆっくりしていってね」
「ありがとう、お母さん」

 まるで喜んでいるみたいに明子は優希少女に声をかけた。一人っ子だったし、女の子どもができたみたいで嬉しいのだろうか。それにしても、一瞬でこんな馴染んでしまうとは流石母親と認めざるを得ないことは実感した。
 部屋を出ていこうとする明子に、優希少年はハッとして、

「ちょっと待った、母さん」
「あら、どうしたのかしら?」

 危うく大事な事を忘れるところだった。

「友永がどうしたって?」

 明子が言いかけていた言葉。それを聞き忘れるところだった。

「ああ、そうだったね。友永君が来てるから――」
「もっと早く言えよ!」

 友人とは言え、客人を放っておくのはよくない。いや、まあ、こんな混乱を招く状況を作ってしまったのは確かであるが。

「ということで、お母さん買い物に行ってくるね」
「おう、わかった。友永は玄関にあがってもらって」
「わかったわ」

 そう言って、明子は部屋から出ていった。階段を降る音がして、部屋から離れていったことを確認する。

「ったく、俺が二人になってなんであんなに落ち着いてるんだよ」
「まあ、お母さんだからね。ここでも変わってなくて安心した」
「……苦労すんな」

 例え、優希が女でも母親の性格は変わらないのか。

「それと、友(とも)ちゃんは男なんだね」
「友……って、友永のことか。お前が女でも友永は男だったのか?」
「うん。そうだね」
「そっか」

 友永が男で、優希が女の世界。どういう関係が築きあがってるんだ?
 その前に、友永を玄関まで言えど迎えにいかなくては。

「あ、そうだ」
「どうしたの?」
「俺、女になるから見に来いよって誘ってたんだ」
「私も、友ちゃんを誘ったな。男になるからって」

 そこまで同じか。ってか、女が男になって喜ぶのか? 別世界のアイツ。

「それでだ。成功したことにして、お前が迎えに行ってやったらどうだ?」
「それ、面白いかも」

 流石、俺。趣味嗜好が全く一緒である。

「ということで、頼む。俺は階段の上から観察してるから」
「わかったわ」

 階段の一番上から、玄関の様子は伺える。

「友ちゃん。どんな反応するのかな」

 少しだけ、顔を赤らめているような気がするのは気のせいだろうか。

「ということで、頼むわ」
「了解。じゃあ、いってきます」

 お互いに立ち上がって、先頭が優希少女で部屋を出る。
 少年は気配を悟られぬように、ドアの隙間から顔を出すだけ。少女が階段を降り切ってから、部屋を出よう。
 軽やかな足音に、同一の人間でも違いはあることに感心しつつ、耳をそちらへと傾ける。

「やあ、"友永"」

 呼び方を優希少年の方に合わせるとは、流石自分自身である。
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AMaRo Project. 2014