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神サマの忘れ物
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あの青空に祈りを捧げ
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突出幼心あくりょうちゃん
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俺が我が家にやってきまして……。
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小説(二次創作)
メルト
1

ある死神は
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天使見習い頑張らない 第4話


  4

 さて、あの後覆面の糞野郎はちゃんと警察の人に逮捕されましたよ。
 ……え? あいつは殺しただろって?
 いやいやいや、天使はそんなことしませんって。
 確かに、散々に足技繰り広げて脅しとしてあいつの周りだけ撃ちぬいたけどさ。
 ということで、ヤツは生存しますよ。残念だけど。
 して今、私は学校にいる。
 いや、ねー。
流石に、力見せても学校を休む理由にはならない。
 如何せん、加奈子は今日一日話しかけてはくれなかった。
 まあ、そりゃそうだよね。
 昨日、あんな暴走しちゃったしな。
 でも、私には話しかけなきゃいけない理由がある。
「加奈子!」
「ひゃ、ひゃい!」
 えー。
どんな返事だYO。
「あのさ、ちょっといい?」
 荷物を片付けているところを捕まえる。
 ……あれ、デジャブ。
「あ、うん、別にいいけど」
 なんだか、良くなさそうな返事だけど。
「いや、ロケットモンスターで進めないところがあるんだけどさ」
「え……?」
 えってさ、昨日頑張ったんだよ。徹夜で。
 それで、もっと深刻なことを私が言うとでも思ったのかな。
「……もしかして加奈子、昨日のこと気にしてた?」
「え、あー、うん」
 やっぱり。
「いや、ね。私は確かに天使だけどさ」
「本当に?」
 ……機密事項だけど。
 で、どうしてアホがアホなこといってるみたいな顔してるのかな?
「うん、そうだよ。まあ、見習いだけどさ」
「……」
 うわ、胡散臭そうな顔になった。
「なんなら、帰り空飛んでく?」
「……遠慮しておきます」
 私もそれだと嬉しい。
 ノリで言っちゃったけど、運ぶのは実際つらい。
「じゃなくて! 空」
 え? なんか、加奈子に突っ込まれた!?
「昨日のことなんだけど」
「うん、加奈子、男の人といたね」
「……やっぱり見てた?」
「見てた」
 トマトのごとく顔を染め上げていく加奈子。
「あのさ、お願いがあるんだけど」
「うん? なに?」
「黙ってて欲しいことがあるんだ」
「え、彼氏と一緒に銀行行ってたこと?」
「え……?」
 えって、同じ反応やめよう?
 私もあきてきたぞ。
「あの、あれお兄ちゃんなんだけど」
「…………はい?」
 お兄ちゃんって、兄であって、親族。
 よっぽどじゃない限り、攻略対象には成り得ない。
 加奈子はそのよっぽどに当てはまるわけがない。
「マジで?」
「マジで」
 うわあ、やっちまったZE。
「……うん、わかった。で、私勘違いしてた」
「だよね。あんな年離れてりゃ、ね」
 年の差兄妹だったのか。
 納得した。
 どうりで、あんなくっついてるわけだ。
「それで、私がブラコンってこと、内緒にしてて欲しいんだ」
「うん、別にいいよ。私が天使だって、黙っててくれれば」
 ……って、ブラコンなんだ。加奈子。
「わかった……って、もう銀行にいた人に空が天使だってことバレちゃってるよね?」
 胡散臭そうにしてるけど、心配はしてくれてるようで。
「いいよ、どうせそのうち忘れるさ」
「そんなもの?」
「そんなもの」
 それでいいんだ。
 人間の寿命なんてたかが知れている。
 それに、日常の中の非日常なんてすぐに忘れ去られてしまう。
 加奈子だって、きっと――。
 それでも、今を生きる人間はすごいと思うんだ。
「じゃあ、帰りますか」
 私は荷物を持つ。
「そうだね。それで、ゲームで聞きたいことがあるっていってたよね?」
「ああ、そうだった」
 だから、こうまで美しい。
 私の目にはそう映る。
 そこらの天使より、よっぽど人間の生き方の方がそうだ。
「それとさ、空」
「ん?」
 だから、私は『完全な』天使になることはずいぶん前に諦めた。
 どうして?
 そりゃ。
「昨日はありがとう」
「どういたしまして。私は呼ばれればいつでも駆けつけるぜい」
 私はその美しい人間に近づきたいからだ。
 だから、私は他の天使と違って悲しみや喜びを感じる。
 上の天使から見れば、落第生で晩年見習いかもしれないけど、私は気にしない。
 だからこそ、ずっとずっと、人間が数回人生をまっとうできるほど生きてきた。
 そして、ようやく人間という生き物を理解することができてきた。
 そういう天使見習いだ。
「家にきてよ。お礼したから」
「なら、ありがたく遊びに行かせてもらうよ」
 さあ、今日もいつも通りの放課後や生活を送ろう。
 だからこそ私――。

 ――天使見習いは頑張らない。
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AMaRo Project. 2014