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神サマの忘れ物
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あの青空に祈りを捧げ
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突出幼心あくりょうちゃん
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俺が我が家にやってきまして……。
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小説(二次創作)
メルト
1

ある死神は
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ある死神は 第2話


 確かに俺は、小さい頃から"視える"体質であった。
 例えば小学生の頃、友人と古びた洋館へ肝試しに行ったら、棺桶の霊を見た。
 例えば中学生の頃、お稲荷さんに化かされた。
 例えば高校生の頃、悪魔のような天使に謎の注射を打たれかけた。
 そして今は――
「お前は何者だ」
「わたしは死神。死を導く者」
 この時、名前も教えてもらったのだが、なんだっけな。月と鐘を合わせたような名前だった気がするが、はっきりと思い出せない。
 たくさんの人がいき行く中、隣にいる自称死神の小さい女の子と座っている。つくづく俺はこういう存在と縁があるようだ。
 他の人間には見えておらず、だからといってこうして俺が会話をしていても気に留める奴は誰ひとりいない。
 駅から出る者、入る者がめまぐるしく行き交う。
「で、そんな死神さんがどうしてこんなところにいるんだ?」
 人が生き生き行き交っているような場所は似つかわしくないと思うんだが。
「そういうところだからこそ、この世に留まっていてはいけない魂がさまよってることが多いの」
「へぇ」
「だから、たまにこういうところを見て回るの」
「死神って大変なんだな。もっと、ゴツくて真っ黒で、容赦なくばっさり斬ってるイメージが合ったが」
「そういう人もいるけどね」
 でも、目の前の死神さんはとても可愛らしく、真面目そうだ。とても、ばっさりしてしまうようには見えない。
 まあ、かつて真っ白な死神が出る小説を読んだこともあるしな。色々な死神がいるんだろうな。俺たち、人間のように。
「それで、あなた……」
 どこか、寂しそうな視線を送る彼女。
「ああ、俺? 元々イレギュラーな存在がよく見えるんだ。今更、死神の一人や二人と遭遇しても驚かないさ」
 なんとなく、あの時の天使と一緒に肩を並べていても納得できそうなのがまた怖い。
「……」
 俺の返答に小さな死神は黙りこくってしまった。やっぱりどこか寂しそうだ。
「あのさ」
 もしかして、と俺は思う。
「こんな所での話もなんというか、目立つしさ。良かったら俺ん部屋こない?」
「え……」
 彼女は目を見開いて困惑をしていた。その表情を見ると、やっぱり女の子なんだなっていうのを思わせられる。
「いや、死神の仕事の邪魔だったら無理にとは言わないけどさ。俺、そんな寂しそうな表情をされたら嫌だからさ」
「え、それは」
 別に、他の人に見えないから連れ込んでどうこうではない。絶対。
 寂しそうなら、それを満たしてあげたい。そう思っただけだ。見える人間が、放っていくわけにも行かまい。
「……わかった。じゃあ、着いていこうかな」
 ちょっと無理をしてるけど、微笑む彼女。その困ったような顔もまた可愛いものだ。
「電車で数駅だけど、君には必要無さそうか」
「う、うん」
 俺が立ち上がって、駅の方へと向かう。彼女も少しだけ後ろからついてきてくれる。
 どうして俺に彼女が見えたのか。どうして彼女がそんな顔をしていたのか。本当の意味を知るにはまだ俺には早かった。

 余談だけど、改札に引っかかって干されてるみたいになってる彼女はまた可愛いものであった。


「狭いけど、ゆっくりしてくれよ」
「うん、ありがとう」
 少しだけタバコの臭いがするマンションの俺の部屋。
 狭くて、汚くて、こんな女の子を連れてくるような場所ではないけど、そこは我慢してもらおう。
 彼女は、律儀に靴を脱いで、大きな鎌は玄関に置いていた。
 短い廊下の先には、テーブルが真ん中に、衣服やその他のものが壁中そびえ立っているそんな部屋だ。一箇所だけ開いてる壁には、机と電源を入れたままのパソコンが鎮座する。
 モニターにはたくさんの文字がびっしり表示されていて、そっと画面だけを消した。
「ま、まあ、座ってくれよ」
「じゃあ……そうさせてもらうね」
 テーブルの上の灰皿を持ち上げて、彼女の座るように促す。
 明らかに嫌がっている身振りが見える。ぶかっとした帽子も外す様子もないしな。
「ごめんな、こうして客を呼ぶなんてことがないから、すごく汚いんだ」
「そう、なんだ」
 それに、俺には追っている夢がある。いや、夢といえるものかわからない。ただただ逃げるための口実かもしれないけれども。
「でさ、本当に死神なの?」
 やっぱり、どう見てもただの子どもにしか見えない。
 鎌をおいてしまえば、もう天使かそれとも変わった格好をした女の子だ。
「疑ってるの?」
「まあ、疑ってないって言ったら嘘になるな」
 正直に答える。嘘をついてもどうしようもないし。
「なら見てみる? 死神を」
 でも、ノリ気じゃなさそうだな。
 やっぱり、何か隠しているようなそんな感じ。でも、
「見てみるわ。この部屋も居心地悪いだろ? 来てもらったばっかりだけど、それでいいなら」
 じゃあ、行こう。ということで、俺と彼女はマンションの外に飛び出す。
 彼女が他の人に見えようもんなら俺はロリコンとして通報されてもおかしくないんだろうが。
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AMaRo Project. 2014