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小説(二次創作)
メルト
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ある死神は
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ある死神は 第3話


「ところで、鎌は置いてきて良かったのか?」
「あれは、飾りでしかないの。よっぽど凶暴になった魂を無理やりおとなしくさせるのには使うけどね。この辺りにはいなさそうだし」
「そんなものなのか」
 と、彼女と共に歩くのはマンション近辺の住宅街を散策してる。
 あのでかい鎌は俺の部屋に置いてきたが、もし空き巣が入っても認識されないだろうから問題にはならないだろう。
 死んだ人の魂というものには使う必要がないというのは以外でもあった。
 ただでさえ、彼女が認識されたら俺は通報されてしまうのに、鎌までセットだったら大変という言葉では言い表せないだろうし。もっとも、俺が威圧感を持ってしまうほどだったから、ありがたいといえばありがたい。
「で、このあたりにも人の魂っているものなのか?」
「うん、公園や学校の"楽しい"と思える場所には、子どもの魂がよくいるの。自分が死んでしまったことも分からずにね」
「なるほどな」
 お前も子どもだろ。と思ったが、それは言っちゃいけないだろう。
 栗色の髪が揺れて、同じような色の帽子も揺れる。
 不思議な風貌の彼女であるが、どうして死神なんてやってるのだろうか。
 一緒にテクテクと進んでいく、小学校の前を通りすぎて、近所の公園まで行こうということになった。
 彼女一人だったら、小学校にも入れるだろうが、俺はそういうわけにはいかない。あっという間に、警察の人の世話になってしまう。
 ……というか、彼女の表情が暗かったから死神の仕事の邪魔をしてでも部屋に連れてきたのに、また仕事をさせてしまうっていうのはどうなんだろう。
「ゴメンな。俺のわがままに付き合ってもらっちゃって」
「え? そんなことないよ。わたしも嫌じゃないから」
「お仕事熱心なことで」
「……うん」
 され、残念そうに返事をされちゃった。もしかして俺、変なこと言っちゃったかな。
 

「うん、この公園久しぶりにやってきたな」
「そうなんだ」
 狭くも広くもない、平地に作られた公園。
 ボール遊びをしようもんなら、あっという間に車の通りの少ない道路に飛び出してしまうだろう。
 遊具はいくつか設置してあり、ブランコやシーソー、ジャングルジムと種類は少なからず多からずか。ベンチもあるので休む場所としても重宝するだろう。
 現在の公園にはブランコに先着がいるだけ、賑わっているわけではない。
 むしろ、人がいっぱいいる公園などそうそう聞くことはないがな。
「で、ここに目当ての魂はいるのか?」
「うん」
 彼女は力強く頷く。
「で、それはどこだ?」
 魂というからにはそんな感じなんだろうけど、と俺はきょろきょろとあたりを見渡す。だがしかし、それっぽい存在はいないけどなー。
「あの人だよ」
「……え」
 そして、彼女が指差す先。
 その指先は先客である、ブランコに座る女子に向かっていた。
 女子は近所の制服を着ていて、ブランコを揺らしながらうつむいているのだ。
「本当にか? 俺にもはっきり見えるのに、魂なのか?」
「う、うん……そうだよ。あれがさまよっている魂だよ」
 彼女の寂しそうな顔。どうしてだ。俺と話すときにたまに見せるその表情。本当に俺といて楽しいのだろうか。
 彼女は一歩先に出てゆっくりと魂らしい女子へと向かっていく。俺も一歩――
「あ、貴方はそこにいて。驚かせちゃうといけないから」
「ああ、わかった」
 それならそれで邪魔をしてはいけないだろう。
 そっと近寄って、女子が顔を上げる。不思議な格好をした少女を見て、驚きの表情を浮かべる。その姿のほうがよっぽど驚かせているではないか! などと突っ込んでいる場合でもないか。
 ここまでは聞こえないが、彼女は二言三言会話を始め、女子もそれに応じて楽しそうに笑顔を見せている。でも、時折悲痛そうな表情を見せるのだ。その表情に彼女の表情もまた曇る。
 でも、曇りながらも絶対に笑顔を忘れてはいない。それこそが彼女の強みなのか。
「……ッ!?」
 そうかと思えば、女子の身体がふわりと浮き上がりはじめた。さすがの俺も驚きを隠せない。本当にあれが魂だったのか?
 少しずつ色がなくなり、透明になっていく女子生徒。それは綺麗な粒子を振りまきながらもそっと姿を消した。
「本当に……」
 その様子を見て俺は言葉を失いかけた。その中で言葉を絞り出す。
「本当に……魂だったのか」
「そうだよ。あれがさまよう魂で、わたしのやるべきこと」
 そんな彼女は、微笑みを浮かべながらも、目からは一筋の光を浮かべている。
 簡単ではない、でもいなくてはならぬ存在か。

 ――死神が、本当にいるとは。
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AMaRo Project. 2014