ホーム

コンテンツ
あめいろぷろじぇくと!
Pクエスト(仮)
Twikker
わーどもんすたぁ
サモンズコール

小説(継続中)
神サマの忘れ物
12345
678910
1112131415
1617181920
212223

あの青空に祈りを捧げ
12345
678910
1112131415
1617181920
2122232425
2627282930
313233

即興小説トレーニング置き場
12

小説(完結)
突出幼心あくりょうちゃん
12345
678910
1112131415
1617181920
21

オレと兄貴と私がいるから
12345
678910

祭囃子〜記憶の隅に〜
1234

祭囃子〜聖なる夜に〜
12

ボクはネコ
1

フタツヤネノシタ
12345

魔女の契約
1234

暗黒の契約
12345

いのししレース ピキョ村のキピ
123

おにぎり落ちたそのまま食べた
12345

天使見習い頑張らない
1234

せくすちぇんじッ!
12345
678910
1112131415
1617

俺が我が家にやってきまして……。
12345
678910
1112131415
1617181920
2122232425
2627282930
31323334

小説(二次創作)
メルト
1

ある死神は
12345

あの青空に祈りを捧げ 第10話


俺が彼女を慰めていると、屋上の鉄製のドアがバンッと音をたてて開かれた。俺と彼女は振り返った。ドアの方向には、白衣の男性が立っていた。

「あ……」

彼女は言った。

「あっ……!」

俺は言った。

「ああっ!」

男性は叫んだ。

「えぇっ!」

俺と男性は同時に互い指をさして、叫んだ。彼女は何がなんだか分らない様子だ。

「優衣。そろそろ、検査の時間だろ? ちょっと、一人で戻っててもらえるか?」

「あ、はい……」

彼女は俺らの事を気にかけながら戻っていった。


「……さてと」

その男性はフェンスに背を向けて寄りかかった。俺もフェンスに寄りかかる。

「おい、知(とも)兄貴。何でここにいるんだよ。いきなりいなくなったっておばさんが心配してたぞ」

何を隠そう、この男性は俺の従兄弟『大谷知博(おおたにともひろ)』である。確か、12歳差だから、知兄貴は29歳か。数年前に突然姿を眩まして、親族中で騒動となった。携帯電話から何まで連絡できるものは何も残さなかったそうだ。そんなのが、こんなところにいるなんてビックリだった。

「……そんな事もあったな」

「そんなことじゃねぇよ」

俺はキレ口調で言った。

「……まぁ、元気そうで何よりだ。ところで、何でお前がこんなところにいるんだ?」

話を切り替えやがった。いつも知兄貴は都合が悪くなるとこうだ。

「話すと長くなるけどな――」

一通り説明してやった。知兄貴はフーンと興味があまり無さそうに答えた。お前が聞いてきたんだろ。

「それで、知兄貴は何でこんなとこにいるんだ?」

「あ、俺? 見ての通り医者になった訳だ。それで数年前に優衣の主治医になったんだな。新米だった俺に主治医をやれだって、なんて上司なんだってお話な訳だな」

知兄貴は苦笑いをしながら、白衣のポケットから赤い箱を出した。棒状のビスケットにチョコがかかったよく見る菓子だった。箱から袋を出して、中身を口にくわえた。

「タバコはダメだからな。これで我慢だ」

そして、口にくわえた菓子を上下に動かしている。

「なぁ、知兄貴。優衣さんの病状はどうなんだ?」

俺が聞くと、知兄貴は上下運動をやめた。

「……お前。どういうことか分ってるよな?」

「わかってる」

「知らないほうがいいって事もあるんだぞ」

「わかってる」

「……そうか、じゃあ、特別に話してやるよ」

知兄貴は菓子を飲み込んで、語り始めた。
prev next

AMaRo Project. 2014