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あの青空に祈りを捧げ
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小説(二次創作)
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ある死神は
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あの青空に祈りを捧げ 第24話


知兄貴は黙って叶音をつれて帰っていった。叶音の抵抗も空しくあっさりと部屋から消え失せた。

またまた部屋が静かになる。外は、もう暗くなっていた。

「学校かぁ……叶音ちゃん、楽しくいければいいね」

「そうだね」

俺は決意をした。

「俺が、優衣を学校に連れて行くよ」

「え……?」

「一日だけかもしれないけど、俺が優衣を連れて行く。誰かに反対されても、止められても絶対に……」

俺は、荷物を持った。

「ごめん、そろそろ帰るよ」

「そうですか……」

彼女は微笑んでいた。俺も微笑み返す。

「そうだ、明日は検査で明後日はお母さんが来るので、来るんだったら月曜日にしてもらえるかな?」

「うん、わかった」

俺は、彼女の病室を後にした。そして、階段を下りて1階まで来た。

「おい、颯太」

知兄貴に呼び止められた。少し、ご機嫌は斜めだが、そこまでは怒ってはいなかった。

「何だ? 知兄貴」

「ちょっと紹介しておきたい人がいる」

紹介したいって誰だ? 俺は疑問を持ちながらあの診察室に入った。

*

俺、俊之は颯太と別れた後、俺は自宅に向かわずにとある道を歩いていた。颯太の家に一番近い道。

少し歩くと静香の家、ケーキ屋の前にたどり着いた。やっぱり昔と変わらないケーキ屋。クリームの甘い香りが漂ってくる。いい匂いだ。

俺が通過しようとしたとき、突然呼び止められた。

「俊之? どうしたの?」

未来の店長。静香がエプロン姿でドアを半開きにしてこちらを見ていた。どうやらボールでクリームをあわ立てている最中らしい。

「ちょっと、颯太の家に用事がな」

「そうなんだ。後で私も行っていい?」

「いいよ」

「じゃあ、このケーキが焼きあがったらもって行かせてもらうよ」

静香はボールを少し持ち上げてアピールをするかのように言った。そういえば、静香の作ったケーキは食べた事なかったな。

「わかった。待ってるよ」

そう返事をすると静香はニコッとした後、ドアを閉めた。俺は再び歩き出す。

もう暫くすると、颯太の家に到着。チャイムを鳴らす。

「お、俊之君。いらっしゃい」

颯太の親父さんが出てきた。今日も元気そうだ。俺は、挨拶を交わして家の中に入れてもらった。
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