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せくすちぇんじッ! 第11話


   *

 学校についた。
 俺は男に戻り、男子学生服を身にまとい、家から徒歩で登校をした。
 父親も母親も元の姿に戻り、一昨日の変化が嘘のようにまた変わらぬ生活に戻ろうとしていた。
 本当にこのまま戻ってしまってもいいかの? という疑問を抱くほどに。
 余裕を持った時間に学校につくのはいつものことで、階段を登り長い廊下を進む。
 途中、南部がいるであろう教室をつかする際に、視線を向けてみれば、目があった。
 目があったが「さっさといけ」という言葉の代わりに手を振られた、声をかけることなく通過する。
 自分の教室に到着し、まずは自分の机の確認をする。
 廊下側、前から三番目が俺の席。
 机の中からは置き勉している教科書やノート、筆箱が出てくるが、可愛らしいものではなく、俺がずっと愛用していたそれが出てくる。
 ノートをパラパラめくってみれば、昨日書いた内容はそっくりそのまま残っていた。
 今いる教室の人間も元の性別に戻っている。
「よう」
 などと、見渡していれば後ろから肩を叩かれる。
「おう、一田か」
 我が友人、一田。
 昨日は別の姿になっていたため、二日ぶりに会うような錯覚すらする。
「体調は大丈夫か?」
「ん、お、おう……」
 一田からそんな言葉がでると、違和感を覚えるな。
 やはり、昨日の九久という人間は一田が変化した姿なのか。
 そして、変化中に起きた出来事はそのまま変わることなく、結果だけが残っているのか。
「一晩寝たら良くなった」
「ああ、それは良かったよ」
「でさ、一田」
「ん、どうした?」
「お前、九久って人間知ってるか?」
 聞くなら今しかないだろうと、尋ねてきたが、それを耳にした一田の表情は曇る。
「なぜ、お前が知っている……」
「え、いや……なんとなく」
 言い訳にしては苦しい!!
「まあ、どこで聞いたのかはわからんが、オレの彼女だ。お前には渡さないからな!」
「お、おう……」
 そんなつもりは毛頭ない。
 というか、一田に彼女いたのかよ!
「で、その九久さんというのはどこの人なんで?」
「お? 南校だが、渡さないからな!」
「わかってるから!」
 だからその気はねーよ!
 南校といえば、隣の学校か。駅三つくらいは離れているけれども。
 でも、ちょっと気になるな。
 その九久という人間は誰になっていたのかというのが。
「東條?」
「なんだ?」
「さっきから変なことを聞いたり、難しい顔をしたり、大丈夫か?」
「いや、本当に大丈夫だから。心配かけて悪いな」
「なんかあったら、相談しろよ。美右のこと以外は」
「ああ、わかった……って、美右?」
「え、違うのか?」
 まさかそういう反応をしてくるか。
「俺が知っているのは美左さんなんだが」
「美左……じゃあ、オレは知らないな。もしかして、姉か妹でもいたのかな」
「まあ、そういうことだ。美右さんは狙ってない」
 といったところで、始業のチャイムがなってしまった。
 俺も一田も、自分の席について教師の到着を待つ。
 さて、入れ替わりの法則だが、どういう法則が成り立っていたのだろうか。
 一対一とは限らない交換ではあった。
 母親が筋肉達磨になり、俺の担任が母親になった。しかし、担任は筋肉達磨ではない。だからだ。
 でも、一対一で成り立っている人間もいるのだろうか?
 一対一で入れ替わった人間だけが、この辺かに気がつくとかあるのだろうか。
 結局、考えたところで真実は闇の中、世界の法則を考えた人間にしかわからぬことか。


 元に戻ってしまえば、何事もない一日だったという言葉だけで済んでしまう。
 授業はノートと同じく続きであったし、なんら苦労もなく授業が淡々と行われていった。
 そんな放課後、俺が帰ろうと荷物を持って廊下を歩いていれば、見覚えのある女子生徒の後ろ姿を発見したので、
「おい、南部」
「え、うわッ!?」
 肩をつかんで引き止めたら、驚かれた上に数歩下がられてしまった。少しショックである。
「なんだ、秋斗くんか。びっくりさせないでよ」
「すまんすまん。でも、そこまで驚くこともないだろう」
「だって……」
 ここで言葉を区切ってキョロキョロを目配せしてから、俺の方に視線を戻す。
「下手に話したら、噂が立ちそうじゃない」
 別に俺は困らないけどな、と言う表情をしたら胸板をコツリと叩かれた。 
 そういう仕草が目立つんじゃないのかと思うんだけどな。
「で、わたしに何か用?」
「大した用じゃないが、朝の手を振ったのはやっぱり噂を立てたくなかったからか?」
 さっさと行けと言わんばかりな手振り。
「そうね、気を悪くさせちゃったらごめんね」
「いやいや、それがわかればいいや」
 申し訳なさそうながらも、微笑む南部の表情に少しだけ胸に来るものを感じた。
 一瞬、恋かと思ったが、そんなものでもないな。多分。
 そんなことを言おうもんなら、南部に怒られそうだが。
 ただ、隠せるようなものでもなく、俺の足が勝手に進んでしまう。
「とりあえず、歩くか」
「そうね」
 顔が赤くなっていたらどうしよう、なんて考えてしまったが、南部からのツッコミもないし、大丈夫そうか。
「……で、横で一緒に歩くのは平気なのか?」
「できれば、避けたいけど……その、わたしたち"友達"でしょ。いいんじゃない? それくらいだったら、する人は多いし。誰だってやってることなんじゃないの」
 俺にそんな機会は今までなかったぞ!
「まあ、南部が嫌じゃなかったらいいんだ。俺は全然構わないし」
 横で女子と一緒に歩くということは初めてなので、少し緊張してしまうがな。
 俺が女だったときは、いつもどおり男と歩いているという感覚だったが、外見が違うだけでここまで変わるものなのか。
 少なくとも、南部は俺を友人として見てくれているわけだし、そんなよそよそしくしたら失礼に当たることだろう。
 階段を降りる。
「噂になって、からかわれるようになったら言えよ?」
「え?」
 なんで? と言わんばかりに返されたな。
「だって、お前とは友達だろ? 困ったことがあったら、頼りあうのが友達ってもんだ。それに友達が悪く言われたら俺だって、悔しいからな」
「……それは、わたしが女子だから?」
「残念ながら友達として、だな。守るとまでは行かないが、一緒に痛むくらいならできそうだな」
「そう」
 とだけ呟いて、南部はそのまま黙りこくってしまった。
 さて、もうすぐ昇降口だ。
「で、今日は何か用事でもあるのか?」
 このまま、話題なく別れてしまうのも寂しいからな。
「うん、電車に乗って買い物をしに、ね。用事がなくても、家には呼べないからね」
 そういうわけではなかったが、釘を刺されてしまった。
「いや、俺も行きにくいし」
 弟さんに見つかったしなー。
「じゃあ、校門出たところで別れるのかな?」
「ああ、そうなるな」
 南部の表情が少し曇っているように見えるのは気のせいか。
 靴を履き替えて、校舎から出る。
「……南部」
「なに?」
「もしかして、俺についてきて欲しいとか?」
「んなッ!」
 いやー、そんなこと聞くのも馬鹿らしいかなと思いつつ、直球で聞いてしまった。
「どうしてもというなら……いや、やっぱりダメ。今日はわたし一人で買い物したいから」
 別に悪いことをされてないけど、両手を合わせて頭を下げられてしまう。
「それなら、別に俺は家に帰るだけだし。じゃあ、今度行こうな」
「え、あ、うん」
 今日しか会えないってわけじゃないんだ。ゆっくり、距離を詰めていければいい。
 そして、南部の表情は明るく笑っていた。
 初対面の時はとんでもない奴だとは思ったけど、意外と面白いやつじゃん。
 イカニモな奴らのいない、校門を出て、二人はそれぞれの道を進む。
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AMaRo Project. 2014