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小説(二次創作)
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ある死神は
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せくすちぇんじッ! 第13話


   *

『まさか会えるとは思わなかった!!』
「お、おい! 落ち着け、音が割れてるッ!!」
 俺は再び西沢春香の姿へと変化してしまった。
 自分の部屋の机で、変化してしまった自らの空間にうなだれていたら、着信した電話。ディスプレイには北見冬樹の名前。
 いざ取ってみれば、か弱い男子の叫ぶかのような声が耳を襲った。
『ごめんごめん』
「で、何に会ったんだ?」
 音が大きいことを伝えれば、男子になってしまった南部が今度は少し小さく、ゆったりとした口調で発生したことを俺に伝える。
『また変化が起こった後に、南高校の制服を着た東條秋斗くんに会ったの』
「……え、なんだと!!」
『うるさい! 音が割れる!』
 お互い様だ。
 それよりも、変化した後に俺の姿を見たということは、俺の姿を使っている人間に出会ったってことか。
 まさか、隣の高校の生徒だったとは。
『それでね』
 かいつまんで、南部は説明をしてくれる。
 買い物に出向き、帰る間際に変化が再び発生したこと。
 そのまま帰ろうと改札を通ろうとしたら、自らの声で呼ばれたこと。
 俺と南部の姿をした人間に出会ったこと。
 彼らは南高校の生徒であるということ。
 さらには、俺達のように変化に気がついている者。
 名前は、西沢春香と北見冬樹。お互いに変化しあっていたのか。
 ファミレスで軽く会話したこと。
「……俺も呼んでくれればよかったのに」
『いや、遅いから今日は解散しようってことになったの、それでね』
 解散間際、明日は土曜日で学校は休みであるからもう一度、明るい時間に会おう。ということになったらしい。俺とも会いたいから、とのこと。
「なるほど。で、明日は何時に集まることになってるんだ?」
『お昼すぎに、そのファミレスの前で会おうってことになってるわ』
「そっか、分かった」
 その後は、二言三言だけかわしてから、電話を切った。
 明日、か。
 俺の身体を使い、俺が身体を使っている存在との対面。
 楽しみであるのと同時に、不安も覚える。
 そして、会ってどうなるのか。
 こうして動き出してしまった変化は、きっと止まらない。
 どうすれば、止まるでなくただただ仲間を増やそうというだけ。
 それでも、俺の身体を使っている存在を知ることが出来れば、どう使われているのかがわかる。
 俺はそっとまぶたを閉じて、机に伏せる。
 どうせ、大きな声で小さい母親から夕飯ができたことを伝えられるのだろうから。少しだけでいいから、意識を遠のかせるのであった。


「おーい、待った?」
「いや、俺が早く来すぎただけだから」
 現時刻、十三時十分前。
 俺達の通う、東高の最寄り駅の銅像の前で腕を組んで待っていた。
 ここで待ち合わせて、彼らと会う予定の十四時よりも前に南高の駅についてしまおうと約束していた。
 昨日は、あのまま深く眠ってしまったようで、起きたら朝になっていた。夕飯を呼ばれることなく、代わりにタオルケットがかけてあった。母の愛……もとい、父の優しさに感謝しておこう。
「に、してもね」
 少年の姿をする南部が、まじまじと俺のことを眺めている。
「なんだよ」
「いや、ね。随分と女の子な格好をしているなーってね、"秋斗くん"」
「余計なお世話だ。こんな服しかなかったんだから仕方ないだろ!」
 俺の名前を強調しやがって。
 確かに七分袖のシャツに、太股を覆う程度のショートパンツという男では絶対にしないであろう服装である。だがしかし、家のタンスにはこのような服しかないのだ。その中でも、まだ女子過ぎない服を選んできたが、それでも限界というものがある。
 靴下もひざ上の黒いものしかなかったし。
 スカートより、いい選択だとは思う。な?
 それでもここまでぴっちりした服であるのにもかかわらず、しっくりとするのは性別による体格の違いというやつだろうか。男では、こんな服を着る訳にはいかない。
「で、南部は地味だな」
「うるさいわね!」
 南部の格好は、白のポロシャツに無難な色の長ズボン。少年っぽい格好ではあるが、女子が着ても問題ない服装だ。
「わたしはこういう地味な服が似合うの、好きなの!」
「それなら俺はこれ以上口出ししないが……」
 というより、ファッションセンスなんて皆無だからどうこうも言えない。
 それに私服を見せ合うという機会なんて、今までの俺にはなかった。
 学校で会うときは制服だし、着替えても体操着である。
「それよりも!」
「お、おう……!」
 俺が女になっても、背の低い南部がグッと背伸びをして近づいてくる。この身体の背が高く、南部は少し低めだからの身長差だろう。
 顔が近づき、相手の身体は男なのに、少しだけドキッとしてしまう。
「早く行きましょ、電車が来ちゃう」
「そうだな」
 電車が来る時間に合わせて待ち合わせたのだからそれに乗り遅れたらお話にならない。乗り遅れたら、ホームで待つのも面倒だからな。
 乗れば彼ら――俺の姿をした西沢春香、南部の姿をした北見冬樹との対面か。
 そして、電車に乗って三駅。この駅が南高の最寄りの駅であり、待ち合わせの場所である。
 構内を出て、外へと向かうと太陽の光が俺たちに容赦なく降り注ぐ。容赦なくと言ったって、春の日差しなので暖かい程度ではある。
「昨日ぶりかあ」
 と、南部がつぶやく。
「俺は久しぶりだけどな。あまり電車で出かけることもないからな」
 あっても、もっと遠くの駅まで向かうからな。ここまで近いとあまり利用しない。
 ただし、この駅も何もないわけではない。
 正面のスクランブル交差点を右に行けば、約束しているファミレスがあるし、反対側には大きな公園がある。
 駅の構内には様々な店の入っているデパートがある。
 正直、東高の駅よりかよっぽど豪華であり、休みの日に友人と近場でといえばここになるだろう。
 俺はもっぱら、一田や友人と遊ぶ場所は東高の駅前のカラオケだったり、ゲームセンターで事足りてしまう。
「で、もうファミレスに向かうのか?」
 約束した時間までまだある。
「んー、入り口で待ち合わせだから……公園にでも行きましょうか。春香さんや冬樹くんが来たのも分かるだろうし」
「ああ、そうだな」
 それとともに、南部はもう名前で呼ぶほどの仲になっているのか。なんか、俺一人が取り残されてしまったようにも思える。
 ファミレスの反対側に向かうべく、スクランブル交差点の歩道と車道の境目手前で待機する。
 歩行者信号はまだ赤で、もう少しすれば渡れるようになるだろう。
 青になり、待っていた人が一斉に交差点を各々の方向に渡り始める。
 俺はその様子を見て、足が止まってしまう。
 ここにいる全員の性別が入れ替わっている。やっぱり、この世界は狂っている。
 今、この瞬間に全員が逆の性別の他の人間になっているということに気がついたらどうなってしまうのだろうか。とんでもないことになることは避けられない。
 困惑する者、犯罪をおかす者、それだけではなく、誰が誰だかすらわからなくなる。
 少しずつ気がつく人間が増えるのであれば、最悪の事態は避けられる。だがそれでも、とんでもない世界に巻き込まれてしまったというのは否定ができない。
「……斗くん」
 一斉に全員が気が付かなかったのをありがたく思うべきか、それとも変化に気がついてしまったのを悔やむべきか……。
「秋斗くん!!」
「うわッ!?」
 グンッと一気に引っ張られ、あっという間に交差点を渡りきってしまう。
 ああ、胸が痛い。そんなにこの身体の胸は大きかったのだろうか。
「どうしたの? 考え事?」
「あ、いや、すまん」
「交差点で考え事して止まるなんて、危ないわよ」
「ああ、そうだな……あ」
 そういえば南部と手をつないだ事になるのか。顔が少し熱くなる。
「手、つないじゃったな」
「あ、うん、そうだね」
 その南部もほんの少しだけ照れたような顔で、返してくる。
 この変化に巻き込まれたからこそ、南部とも出会えたわけだし、悪いことばかりではないのかもしれないな。楽観過ぎかもしれないが、これからこの変化がどうなっていくかなんて予想つくわけないし、そうなったそうなったでいいのかもな。
「ありがとう、南部」
「……へ?」
 何がなんだかわからないといった様子で、首をかしげる南部。女子の姿だったら、もっとサマになっていたんだろうな。
「俺、一人だったらどうにもならなかったよ」
「車に轢かれてたかもね」
「じゃなくて! この変化でどうしようもなくなってたかもしれないってことだ」
「あ……あー、うん。そうね。それは、わたしだってそうよ」
 お互いに共有しあえるから気が楽になる。その程度かもしれないが、この程度がだいぶ楽になる。
 公園の入り口を通過し、敷地内に入る。公園というより、広場といったほうが正しいような空間。
 野球の練習にもってこいの場所だ。して、公園というからには、端の方に申し訳程度に遊具が設置してあった。
 ベンチも設置してあったので、約束の時間まで座っててもいいかもな。
「でさ、何を悩んでたわけ? 立ち止まるほどの」
「掘り返してくるか」
「そりゃ、気になるじゃない」
 にしても、なぜ人がいないのだろうか。休日のお昼の時間なのに。
 まあ、遊具もほとんどないし遊ぶにはちょっとさびしいからな。近くにはデパートもあるし。
「気になるならいうけどさ、みんなの性別が入れ替わってるわけだけど、その全員が気がついてはないだろ?」
「そうね」
「で、なんでわざわざ俺たちだけが変化に気がついちゃったんだろうなってな。それと、同時に皆が気がついてしまった時にはどんな混乱が待ってたのかなーって」
「わたしたちだけなのは、この変化を引き起こした奴にでも聞きなさいよ」
「……」
 それは誰だよ。
 ついでにベンチに座る。
「そして、同時に変化に気が付かなかったのは優しさなんじゃない? わたしたちだけが変化しなかった。全員が変化に気が付かなかった。それで、混乱は避けれているんだから」
「あー、そうだな」
「ま、楽しまなきゃ損じゃないの? 異性の身体を体験するなんて簡単にはできないんだから」
「……南部は楽しんでるのかよ」
「ええ、こんな素敵な出会いができて楽しくないわけがないじゃない」
「……」
 なんだよ、結局俺と同じ考えかよ。
「何? なんか不服だった?」
 俺はそんな顔をしてたか?
「そんなわけないだろ、俺も楽しいさ」
 ついでに、この時点で気がつくべきだった。
 公園の外から、バイクの集団がこっちに近づいて来ていることに。
「あ、テメェ!! 東高で逃げた奴ッ!」
「え……あ……」
 すでにライダースーツのようなピッチリした服をまとう、女の集団に取り囲まれていた。
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