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小説(二次創作)
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ある死神は
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せくすちぇんじッ! 第14話


   *

「やあ、おはよう」
「おはようございます。会長」
 南高の最寄り駅、デパートなど見ることろはあるものの、待ち合わせの場所として目立つものはこれいってない場所である。なので、駅の構内を出た入口部分で私は待っていた。
 すると、改札から北見少年が出てくる。
 ここからは横断歩道の向こう側には、ファミリーレストランが見える。だが、まだ彼らの姿はない。
「すみません、遅くなりました」
「いやいや、私も今きたところだ」
 北見少年は、クリーム色のセーターに少し長めの暖色のプリーツスカートを履いている。丈は長めだ。小さな肩掛けカバンを上下に揺らす。急いでやってきたのか。
 私はもう少し早く来ていたが、こういう気遣いもまた大切だ。
 彼らと会う約束をしているのは十三時半。それよりも早めにここで、北見少年と合流しようと話をしており、その時間はもう少し後の時間である。
「もっと早く家を出ようとしたのですが、身体が違うと時間がかかっちゃいますね……」
「確かにそうだな」
 いつもの身体であれば準備だって簡単にできるはずだが、違う身体、しかも性別が違うのだから準備に戸惑うのは仕方ないことだ。
「に、しても北見少年は随分と可愛らしい格好をしているのではないか」
 はっはっは、と茶化すように笑ってやると、少年は恥ずかしそうに頬を染めてうつむいてしまう。
「いや……こんな服しかなかったので」
「でも、悪くないチョイスだぞ」
「……あまり嬉しくないです」
「それもそうか」
 ついでに、私の格好だが知りたいか? 青のジーパンに薄手のシャツだ。なんの面白みもないがな。
 できれば休日に呼ぶというということはあまりしたくないのだが、状況が状況であるからな。それに、生徒会としての仕事ではなく、個人的に会うということであるし、問題もないと信じている。
「それで会長、これからどうします? まだ、南部さんや東條さんがいないみたいですが」
「うむ、生憎私も時間のつぶし方がわからなくてな……」
 辺りを見渡してみる。何か面白いものがあればそこに行き、何もなければデパートで時間を潰してもいいだろう、と。
「……おや」
 公園の方に視線を向けた時に、たくさんの人間が目視できた。
「どうしました? 会長」
「あれを見てみろ」
 同じ方向を指さす。
「あれって!」
「この前、南高に襲撃してきた奴らだな。性懲りもなくまだいたのか」
 ただたむろっているだけではないようだな。あの辺りにはベンチがあったはずだが、座っていた人間が絡まれてしまっているのか?
 広場のような公園は、休日にはもっと人が多いはずなのだが、あんな輩がいては近づくこともできないだろうし、
「少年」
「はい!」 
 私が言いたいことがわかっているようだな。
「撃退するぞ!」
「はいッ!!」
 ……だからといって、丸腰で突っ込んでも流石の私でもどうしようもないしな。
 もう一度、辺りを見渡してみる。ファミリーレストランの駐輪場にちょうどいい物がある、あれでいいか。
「え、会長? そっちは公園じゃ」
「いや、調達だよ。武器の」
「武器って……」
 ちょうど、歩車分離式信号の歩行者信号が青になったのでファミリーレストランの方へと足早に向かい、すぐさまそこにあったバイクの一台と対面する。
 横にはもう一台、同じモデルのものがある。あの集団と同じような形だし、これはきっと。
 ポケットから一本の細い針金を取り出して、
「って、会長!? 何をしてるんですか!!」
「何って、ピッキングだが?」
 バイクの鍵穴にそれを突っ込む。
 私がしゃがみ、北見少年を見上げるような体勢なので、
「それよりも、パンツ見えそうだぞ」
「うわッ!! 会長の変態!」
「はっはっは」
 などと言っているうちに、鍵穴が回って解錠される。
「完全に犯罪です!」
「後で返せば良かろう。それに、免許はちゃんと持っている」
 といいつつ、財布から免許を取り出し見せつける。
「細かいことは気にするな!」
「気にします!」
 などとやり取りしていたら、ファミリーレストランの扉が開かれる。
 何やら急いでいるようで、少し荒々しい。
「ヤバい、完全に遅刻じゃん!」
「アンタが、もう一杯なんて言ってるから!」
 随分と密着性のある服を着こむ女が二人出てきた。
 やはり、この前学校で撃退した奴らの仲間みたいだな。
 観察しているうちに、
「って、ワタシのバイクに何してんじゃん!」
 目があってしまう。
 茶髪の長い髪がボサボサになっている。髪に負担をかけて痛めてしまっているようだな。
 持ち主であろう女子がズカズカとこちらに向かうのを、片割れが制す。
「何すんじゃん」
「ちょっと待て、こいつはヤバいじゃん」
「ヤバいって、ワタシのバイクを盗もうとしてる時点でヤバいってのに」
「じゃなくて! コイツ、ウチのとこのバイクを一蹴りで破壊した奴だし」
 そうやら、制している方がこの前いた者で、持ち主はその時居合わせていなくて事情をしらないのか。
 そして、それを聞いた持ち主は顔色を真っ青に変えて、再び私の顔を伺っている。
「それって……ヤバくない?」
 もうひと押しすれば、どうにかなりそうな雰囲気である。
「すまないが」
「「はひッ!?」」
 二人は同時に体を震わせ、今にも抱きつかんという姿勢をしている。
「少しの間、バイクを貸してもらえないか? 後で絶対にここに戻しておくから」
「そ、それは、ご自由に……」
「え、ワタシのバイクの許可をなんで勝手に出してんじゃん?」
「今は命のほうが大事っしょ。早く鍵を出すんじゃん」
 などというやり取りをしながらも、持ち主はカバンから鍵を取り出して丁寧に手渡してくれる。
「今日中に返してもらえればいいんで、ではッ!!」
「そのバイク、大事にするじゃん!!」
 言い残し、彼女らは再びレストランの方へと戻っていった。
「ということで、バイクが手に入ったぞ」
 鍵穴に正規の鍵をねじ込んで、キックペダルを踏み込む。
「……結構、強引でしたがね」
 呆れている北見少年であるが、確かにそれは認めよう。だがしかし、今は急ぎだ。
 ヘルメットは二つ横にかけてあることを確認して、押して進む。横断歩道をわたってすぐそこだし、乗っていく必要もあるまい。
「ということで、行くぞ」
「……はい」
 おや、さっきの威勢はどこに行ったのか?


「で、会長。ここからどうするんですか?」
「うむ、そうだな」
 移動して、公園の入り口から向こうの様子を伺う。誰もこちらには気がついていないようだ。
 相変わらず、誰かを囲んでいるようだ。
「機を見計らって私がバイクで出るから、少年はその後入ってきてくれ」
「それでは会長が……」
「私なら大丈夫だ。自分を守るだけの技術はあるんだから」
「技術って……どんな技術ですか」
「はっはっは」
 しかしながら、ざっと見ただけで六人か。そのくらいであれば、余裕で撃破できるだろう。
 ただ、囲まれている人間を守ることができるかと聞かれると正直厳しい。
 ならば、挑発して惹きつけるが得策か……おや。
 リーダー格であろう者が一歩引き、取り巻きも距離をとった。その一瞬、ベンチに座って絡まれている者の姿が目に入った。
 あれは、私と北見少年の姿。
「……少年、どうやら絡まれているのは南部女史たちみたいだ」
「え!?」
 昨日初めて出会ったといえ、知り合いであれば少しは荒い方法をとっても良かろう。
「いいか、少年」
「はい」
 バイクのエンジンは唸っている。アクセルを吹かせばいつでも前進することができる。
 それにまたがり、少年の方を見る。
「私はそのまま東條少年を乗せて、奴らを惹きつける。できるだけ遠くな。そして、安全が確保できたら少年は南部女史と共に先にレストランの方へと向かってくれ」
「わ、分かりました……」
「タイミングが重要だぞ」
「ええ、大丈夫です。だって、僕は会長の雑用係ですから」
 その微笑みを見て安心した。大丈夫だ、少年ならやってくれる。
「くれぐれも、私が苦戦しても助けようなんて思わないでくれよ」
「それでも、気をつけてくださいね。あなたは女性なんですから」
「今は男だ」
「そうですけどね」
 ははは、少年に心配されるようでは私もまだまだだな。
 などと考えながら、少年の頭に手を置く。太陽の光を吸った、暖かな温もり。
「では、行ってくる」
「行ってらっしゃい、会長」
 まるで、朝に出社する夫婦みたいじゃないか。なんて、冗談だ。
 でも、少しだけ身体が軽いような錯覚すらする。これなら、行ける。
「また後でな」
「はい!」
 一気にハンドルのアクセルを回して、加速する。
 目標は、孤立したリーダー格。一つだけヘルメットを手に持ち構え、

 ――そして。
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AMaRo Project. 2014