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突出幼心あくりょうちゃん
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小説(二次創作)
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ある死神は
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突出幼心あくりょうちゃん 第19話


僕の家からバイク(全速力)で20分。橘海岸に到着しました。

夏休みの終りだけど、まだ夏。だけど、遊びに来ている人はいないようでした。

春香はバイクのまま砂浜に突入して止めました。僕も春香もヘルメットを取って、バイクにしまいました。

「あくりょうちゃん……いるかな?」

春香は心配そうに言います。僕も「そうだね」と答えてあたりを見渡します。

響き渡る波の音。遠くにしゃがみこんでいる人影が見えました。

「あれじゃない!」

僕と春香は走ってその人影の元へ向かいました。近づくごとに予想は確信へと変わり。

「あくりょうちゃん!」

と、ついに見つけることが出来ました。

「駄目でしょ!? 勝手に出て行っちゃ!」

僕は叱りました。砂にまみれているあくりょうちゃんは目に涙を溜めて、申し訳なさそうに僕と春香の事を交互に見ていました。

「でも、良かった。無事で」

僕は優しくあくりょうちゃんの頭を撫でました。叩かれると思ったのか怯えた表情で肩をすくめてあくりょうちゃんは目を瞑ってました。そして、すぐに安心してホッとしたような表情に変わりました。

「あ、私、向こう行ってるね」

春香は一人でもと来た方向に行こうとしました。もしかして僕、怒らせた?

「待っ……」

と、僕が声をかけるより先にあくりょうちゃんは、春香の腕を掴みました。春香は驚いてあくりょうちゃんを向きました。

「ホ……シ……」

溜めていた涙が溢れ出しました。あくりょうちゃんの頬を一筋の光が流れ出しました。春香は「私が間違ってました」と言わんばかりの表情をして。

「じゃあ、探そっか。3人で」

と、言いました。あくりょうちゃんはすぐに「にはっ♪」と元の笑顔になりました。

見つかるはずの無い星の砂。僕たちはわかりながらも探すのでした。


……もしかして春香、妬いてた?
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