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祭囃子〜記憶の隅に〜 第1話


今は12月。寒空の下、季節はずれの太鼓の音がその町に鳴り響いていた。この町には完成して17年しかたっていない小さい神社がある。

音に誘われて、ふらふらと神社に向かう一人の少年がいた。ウエストポーチにコートを着て一人で歩いていた。何かを話している。

『おい、兄弟。お前さんとであって10年ちょっとか? そろそろオレッチを洗ってくれよ』

「うるさいな。わかったから黙ってくれよ」

彼はウエストポーチをポコッと殴った。彼の名前は『森本 祐樹(もりもと ゆうき)』17才の高校2年生。祐樹は数年前から『物』と会話する能力を得ていた。特殊な能力を持っていることを知っているのは祐樹と会話をした『物』以外は知らない。しかし、祐樹自身この能力はあまり使わないように、すなわち余計なものに触れないよう心がけている。なぜなら、このウエストポーチのように口うるさいのがいるからだ。

ウエストポーチと会話を繰り広げているうちに祐樹は神社の鳥居をくぐっていた。この神社は屋台が数件しか設置しか出来ない程の面積しかない。そして、この神社を囲むように小さな森が広がっている。

祐樹は屋台を通過して神社の一番奥の木造の建物まで行った。唯一の建物でこれが本堂ということになっている。そして、祐樹は建物の階段状のところに座るつもりだった。そこに2体の狛犬が置かれている。祐樹はその狛犬を見るのがお気に入りだった。狛犬は口を開けているのと閉じているのが1体ずつ置かれている。

しかし、今日は人だかりが出来ていた。何か起きたのだろうか。祐樹は気になったが、とてもいけそうになかったので断念した。何だか「狛犬が消えた」という、声がちらほら聞こえてくる。

暗くなりいっそう光を放っている屋台の設置してある広場にも人が祭りを楽しみにきた人たちの集まりが出来ていた。流石に高校生になってこのちっぽけな祭りに来るのは祐樹くらいになってしまった。ただ、祐樹は自分の生まれた年に出来た神社だったので毎年、この祭りには参加している。

どちらの人だかりにも行く気になれなかったので、祐樹は森の方へと向かっていった。森は子ども達が遊べるようにと道が作られていた。道の両端には提灯が道なりに吊るしてあり綺麗だった。遅い時間で物騒なのでこの道を通る人はあまりいない。いても、カップル位である。

道が2つに分かれているところもあったりするがいずれこの神社のどこかには戻ってくるようになっている。

祐樹がのらりくらりと歩いていると、正面から浴衣を着た祐樹と同い年くらいの少女が歩いてきた。季節はずれにも程があると、祐樹は思った。

『おい、兄弟。あの姉ちゃん、お前さんに興味を示してるぜ』

「はぁ?」

ウエストポーチの言葉に祐樹はその少女のことを見てみた。すると、その少女はこちらに気がついたようで笑顔になって叫んだ。

「やっぱり、祐樹だ!」

手を振って走って、祐樹の元まで来た。こんな提灯しかない場所で浴衣の少女が立っていた。少女は祐樹の事を知っているようだが、祐樹は彼女の事を全く知らなかった。

祐樹は少し申し訳無さそうに。

「以前にあったこと会ったことあるっけ?」

と聞いた。

「あるよ。祐樹はわからないかもしれないけど……」

少女は途中でうつむいてしまった。

「そ、そうだ! 名前を聞いたら思い出すかも」

祐樹は慌てて言った。

「名前……『林 まつり(はやし まつり)』」

少女は少し、言葉に詰まっていた。

「ごめん、やっぱり思い出せないや」

祐樹は頭をかいた。

気まずい雰囲気のまま沈黙。空気が重たくなる。

「あ、あのさぁ」

「何?」

「もし良かったら、一緒に屋台を回らない? もしかしたら、今度こそ思い出すかもしれない」

「けど私……お金……」

まつりはボソッとかつ申し訳無さそうに言った。

「お詫び……にはならないけど、全部俺がおごるよ」

祐樹は自分の胸を叩いた。

『よっ、男前だな、兄だ……ごふっ』

ウエストポーチは祐樹に思いっきり殴られた。そして、中から財布を取り出されぐったりとしてしまった。

「いいの?」

「いいから、いいから。行こうよ。終わっちゃうよ」

祐樹はまつりの手を持って祭り会場のほうへ走った。浴衣姿のまつりは短めの髪を揺らしながら一生懸命走った。
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