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ある死神は
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フタツヤネノシタ 第4話


*312号室*

現在午前10時。僕は早瀬さんと合流をして、病院を訪れた。そして、病室のドアをノックする。返事を待って、それから入る。「オレ、帰る」とか言い出した早瀬さんと一緒に。

まず、亜衣さんは驚き半分嬉しさ半分の表情に変化した。

「や、やぁ久しぶり」

早瀬さんは瞳を右下のほうに持っていって、照れくさそうに言った。

「ひさしぶり、元気だった?」

と、亜衣さんは微笑みながら返した。もしかして、僕邪魔かな?

「うん、元気だったよ。いままで、来れなくてごめんね。いままで――」

『高校生の早瀬さん』は、今まで亜衣さんの身体の変化について調べていて、情報が見つからなくて顔向けできなかったことを説明した。

「そうだったんだ。ごめんね、あたしのせいで心配掛けちゃって」

「全然、『私』だって、亜衣のことが心配だったからさ。でも、治す方法が見つからなかったんだ。ごめんね」

一人称が『私』になっている。流石、『高校生の早瀬さん』だ。

「……ねぇ、永治君。『あれ』取ってもらえるかな?」

あれ? あれって、なんだろう? 多分、あれかな? 僕は、タンスから『あの箱』を取り出した。

「これ?」

「うん、それ」

正解。僕は、亜衣さんの鍵を取って箱を開けた。そして、中から古臭い紙を取り出した。早瀬さんは「何をしているんだろうか」と言わんばかりの表情をしている。

「あのね。海晴ちゃん。信じられないかもしれないけど、聞いてもらえる?」

亜衣さんは早瀬さんに『契約書』の話をした。初めは「冗談だろ?」と、笑っていたが、最後には完全に信用してくれた。後、契約の内容を話してくれた。実は亜衣さんの両親は離婚していたらしい。それからは母親と一緒に暮らしてたのだけれども、母親が事故にあってしまった。ひき逃げだ。母親を失ったら、学校に行くだけでなく、生活そのものが崩壊してしまうため、非常に困惑した。そこで、出会ったのがこれというわけだ。郵便受けに入れられていて、何かのイタズラだと思ったが、試しに使用してみた。『母親が生き返るように』と願いながら。その結果がこれということらしい。

「そうだったんだ」

早瀬さんが相槌を打った瞬間に変化が起こった。再び、亜衣さんの身体から水蒸気な様なものが噴出し始めた。苦しそうな声を出す亜衣さん。とっさに「大丈夫?」と声をかける早瀬さん。それをどうしようもなく見守るしかない僕。時間が駆け足で進むようだった。

亜衣さんの変化が止まると、僕達も落ちついた。すぐさま、亜衣さんの身体の様子を見る。

変化は首全体を無機質に変えていた。もう時間が無い事を告げていた。僕達は亜衣さんが『人間でいる間』の話し相手をする事しかできない。契約書にある『永遠の苦しみ』とは、完全に身体が動かなくなっていても意識は残るというものだろう。きっと、僕は死ぬまで永遠の話し相手になってあげられる。いや、しないといけないんだ。亜衣さんが寂しい思いをしないように。

僕たちは看護師さんがこの部屋に入ってくると同時に部屋を脱出した。何故ならば、無断でここに来てしまっているからだ。捕まってしまったら、大目玉ではすまなかっただろう。出て行く寸前に、亜衣さんには声をかけておいたから、その点では心配ない。
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