ホーム

コンテンツ
あめいろぷろじぇくと!
Pクエスト(仮)

ボードゲーム
サモンズコール
どうぶつつなひき
星空を望む少女達の夜明け
罪ナキ少女 進ムハ断頭台
ほしあけマジックフェスティバル
じぇーけーえぶりでい!!
バトルロジティックスクェア
じぇーけーふぁいてぃんぐ!!

小説(継続中)
神サマの忘れ物
12345
678910
1112131415
1617181920
212223

あの青空に祈りを捧げ
12345
678910
1112131415
1617181920
2122232425
2627282930
313233

即興小説トレーニング置き場
12

小説(完結)
突出幼心あくりょうちゃん
12345
678910
1112131415
1617181920
21

オレと兄貴と私がいるから
12345
678910

祭囃子~記憶の隅に~
1234

祭囃子~聖なる夜に~
12

ボクはネコ
1

フタツヤネノシタ
12345

魔女の契約
1234

暗黒の契約
12345

いのししレース ピキョ村のキピ
123

おにぎり落ちたそのまま食べた
12345

天使見習い頑張らない
1234

せくすちぇんじッ!
12345
678910
1112131415
1617

俺が我が家にやってきまして……。
12345
678910
1112131415
1617181920
2122232425
2627282930
31323334

小説(二次創作)
メルト
1

ある死神は
12345

魔女の契約 第2話


次々合格を決める中、自信が無く自分の杖を両手で持ち胸に当てるツインテールの少女が一人。

「う……自信ない」

彼女の名はリリィ。年は54歳。魔法使い族の寿命は人間の4倍であるためこの年齢であるが、人間換算すれば13歳ほどである。

失敗したら、獣にされる。そう考えると体が震えてしまう。

「大丈夫だよ」

その気配を感じ取ったのかひとつ前のメガネを掛けて内気そうな少年が振り返って声をかけてきた。

「僕も自信ないから」

「そう」

リリィはそっけなく答える。

「じゃあ、あなたの成績見せてよ」

リリィはツンとした態度で、少年に成績の提示を求めた。成績に関しては試験前に受け取ることが出来、それを参考にして試験に挑むのである。

「わかった。はい、これ」

奪い取るように、少年の成績表を受け取った。

「……え?」

*
名前:グレイ

火炎:5
電撃:5
冷気:5
自然:5
大地:5
神聖:5
暗黒:5
総合:5
*

なお、5段階評価である。

リリィは大変驚いた。

「自信ないなんて嘘でしょ?」

「そんな事無いよ」

少年はハハッと困ったように笑う。

「グレイ君! こちらに来なさい」

学園長の声が聞こえた。

「じゃあ、行ってくるよ」

「べ、別に行ってくればいいじゃない」

リリィは腕を組んで、手でシッシッという仕草をして見送った。


「グレイ君。君は真面目で、たくさんの努力をしてきたようだね」

学園長は感心するように言った。

「はい!」

グレイは自信満々に答え。杖を取り出す。

「じゃあ、早速……」

と、言ったところでグレイは自らの杖を折った。学園長も始め、皆が目を疑った。グレイは続いて、予想もしない事を口にした。

「僕は『立派な使い魔』になりたくて、今まで頑張ってきました。だから、もう杖は要りません。だから、僕を不合格にしてもらえませんか?」

ざわ……ざわ……と、ざわめきがどんどんと大きくなってきた。

「それはどうしてかな?」

学園長は少し興味深そうに答える。年々、こういった変わり者が出てくる。その場合、学園長は理由を聞き、強制的に合格にしたり、理由に応じた獣へと変えたりそれ相応の対応を行うのだ。

「僕は、これから一人で生きていく自身がありません。戦火が起こる時代に、僕ら魔法使いが駆り出されます。もし、合格して使い魔を持っても、自ら戦場へ赴かなければいけないのは嫌なんです。だったら僕は、使い魔として、主人のサポートをして生きていきたいんです。下僕みたいに扱われてもいいので、僕はどうしても使い魔になりたいんです」

グレイは必死に訴えていた。

「何、あれ? 馬鹿じゃないの?」

リリィは失笑した。自身がないとか言っていたのはこれか。と。

おかしすぎる。望んで使い魔となって下僕になっても構わないって。もし、本当に下僕として扱われて、死んじゃったらどうすんの? サポートしたいっていう信念はのしの字も出てこないよ。

色々考えた。皆が使い魔を欲しがるのは自分の生活を楽にしたいからである。サポートして欲しいなんて思う奴なんてそうそういない。

「では……」

長く考えていた学園長が口を開いた。

「君を不合格としよう。でも、きっとこれから大変だと思うが、頑張っていきれ欲しい」

と、指を鳴らした。グレイは礼を言うようにお辞儀をした瞬間に煙に包まれ、煙の中からは真っ黒な猫が宙を舞っていた。黒猫……もとい、グレイが初めて見た人物はリリィだった。

リリィは黄色い瞳を持つ黒猫と目が合い、睨みつけた。「あんた、馬鹿でしょ?」といわんばかりに。

次の瞬間にはグレイの姿は無く。何事も無く次の生徒、リリィの名が呼ばれた。
prev next

AMaRo Project. 2014