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神サマの忘れ物
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即興小説トレーニング置き場
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小説(完結)
突出幼心あくりょうちゃん
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俺が我が家にやってきまして……。
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小説(二次創作)
メルト
1

ある死神は
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祭囃子~聖なる夜に~ 第2話


そして、次に着いたのは大きな病院だった。

「今度は、俺が行ってくるよ」

「わかった」

祐樹は屋上から忍び込み、とある病室に入った。中には、ベットに横になる少女と横の丸椅子に座る少年がいた。部屋の明かりは消されていて、ケーキのろうそくの火がゆらゆらと輝いている。

「誰!?」

少女は祐樹に気がついて少し、身を引いていた。

「誰だ!?」

少年は祐樹に襲い掛かってきた。が、しかし途中で手を止めた。

「祐樹? 何で、お前がこんなとこにいるんだ? しかも、その格好はサンタか?」

「まぁ、訳ありでって、颯太のほうこそここで何を……」

「俺も、訳ありだ」

「そうか、邪魔したな。これ、置いてくから彼女とでも開けてくれ。メリークリスマス」

祐樹は箱を二つ置いて、さっさと立ち去っていった。

*a*

「誰? 颯太さんの友達?」

彼女は俺に聞いた。

「中学校のな……にしても、プレゼントを配ってるって」

俺は箱を取って、一つを彼女の渡した。そして、もう一つは俺が手にとって開けてみる。

――入っていたのは色違いのペアマグカップ。やってくれる。

「二人、同じのだね」

「そうだな……まるで――」

俺はろうそくの火をフッと消した。今の俺の顔を彼女に見られたくないからだ。

***

次は大き目の一軒家の一階にたどり着いた。袋のプレゼントの量を考えると多分最後だ。

「次は私ね」

「わかった」

まつりは家の敷地に入り、窓をノックした。

「どちら様?」

出てきたのは、まつりと同い年の少年だった。

「私、見ての通りのサンタクロースです」

「は、はあ……」

相変わらず、冷ややかな対応である。まつりは、部屋の中を一瞬覗いてみた。少年の他に普通の少女と猫耳の少女がいた。

「はいこれ、プレゼントね。メリークリスマス」

まつりは袋の中身を全部ひっくり返して、出てきた箱を全部渡した。といっても三つだけだが。

そして、まつりは立ち去った。

*k*

「で、今の誰だったの?」

澪が口に生クリームをつけながら聞いてきた。

「さ、さぁ? 自分でサンタクロースって言ってたけど……まぁ、これやるよ」

俺は澪に箱を渡した。中身は知らん。

「美鈴にも、はい」

「ありがとう」

もう一つを美鈴に渡した。

三人同時に箱が開かれた。中から出てきたのは、マフラーだった。

「……悪くないかもな」

まぁ、クリスマスパーティの続きが行われるわけだ。

***

祐樹とまつりの乗ったそりは祐樹の家の二階で止まった。

二人はベランダに飛び移って、部屋の中に入った。すると、白髭のおじいさんが赤い服を着て立っていた。

「ありがとう。助かったよ。お礼はここに置いておくから、後ででも開けて欲しい。今日は本当に助かったよ。じゃあ、また。」

おじいさんは眩い光を放った後、そりと共に消えた。二つの箱を残して。

祐樹もまつりもサンタ風の服から、昼着ていた元の服に戻っていた。

「……本当にサンタクロースだったんだ」

祐樹は唖然としていた。いつか信じなくなっていたサンタクロースが実在していたと。

「ねぇ、これ、開けてみようよ」

「そうだね」

*m*

何が入っていたか? それは秘密。二人だけの秘密さ。

最後に一つ――


メリークリスマス。
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AMaRo Project. 2014