ホーム

コンテンツ
あめいろぷろじぇくと!
Pクエスト(仮)

ボードゲーム
サモンズコール
どうぶつつなひき
星空を望む少女達の夜明け
罪ナキ少女 進ムハ断頭台
ほしあけマジックフェスティバル
じぇーけーえぶりでい!!
バトルロジティックスクェア
じぇーけーふぁいてぃんぐ!!

小説(継続中)
神サマの忘れ物
12345
678910
1112131415
1617181920
212223

あの青空に祈りを捧げ
12345
678910
1112131415
1617181920
2122232425
2627282930
313233

即興小説トレーニング置き場
12

小説(完結)
突出幼心あくりょうちゃん
12345
678910
1112131415
1617181920
21

オレと兄貴と私がいるから
12345
678910

祭囃子~記憶の隅に~
1234

祭囃子~聖なる夜に~
12

ボクはネコ
1

フタツヤネノシタ
12345

魔女の契約
1234

暗黒の契約
12345

いのししレース ピキョ村のキピ
123

おにぎり落ちたそのまま食べた
12345

天使見習い頑張らない
1234

せくすちぇんじッ!
12345
678910
1112131415
1617

俺が我が家にやってきまして……。
12345
678910
1112131415
1617181920
2122232425
2627282930
31323334

小説(二次創作)
メルト
1

ある死神は
12345

祭囃子~聖なる夜に~ 第1話


「今日は一段と寒いね」

「そうだね」

12月某日前日。雲の分厚い空の下、少年と少女がスーパーのビニル袋を提げて歩いていた。

少年の名前は『森本 祐樹(もりもと ゆうき)』といい、この辺りの高校に通っている。この祐樹だが、不思議な能力を持っていた。それは――

『よう、兄弟。オレッチ寒くて敵わねぇ。早いとこ帰ろうぜ』

「わかってるよ」

話しかけたのは少女ではなく祐樹の着けているウエストポーチである。実は祐樹の能力とは『触れた物と会話する能力』である。

「ふふっ、じゃあ、走って帰ろうか?」

少女は微笑みながら祐樹の手を握っていた左手を離して、一人で小走りになった。

この少女の名前は『林 まつり(はやし まつり)』推定17歳。何故推定か、それは何を隠そうまつりの正体はこの辺りの神社の狛犬なのだ。冬に行われる祭りで何故か人間の姿となり、そのまま戻れなくなってしまったのである。もともとが物のまつりは必然的に祐樹と同じ能力を得ている。今は、祐樹の家で暮らしている。祐樹は両親を説得して、了解を得ているのである。しかし、祐樹の両親はというと、自分達に娘が出来たかのように接し、まつりは浴衣以外の服を持っていないと聞くと、すぐさま一通りそろえてしまう始末である。そして今は、12月某日の準備のための買い物中であった。

「祐樹~! おいてっちゃうぞ~!」

まつりは一人でさっさと、小走りで先に行ってしまっている。

「あれ? ちょっと、祐樹?」

まつりは倒れている、白髭のおじいさんを発見した。それにすぐ気がついた祐樹は走ってまつりの元へ向かっていった。


――白髭のおじいさんは普通のズボンを着用して普通のコートを着ている普通のおじいさんであった。

「大丈夫ですか?」

祐樹がおじいさんの事を軽く揺すってみた。すると、おじいさんは気が付きゆっくり起き上がった。

「あぁ、ありがとう」

おじいさんは起きているのが少し辛そうだった。

「どうかしたんですか?」

まつりが優しい口調で聞いた。

「今日、大事な仕事があるから準備をしていたんだがな、突然ぎっくり腰になってしまってな……イタタ、仕事があるのに困ったな」

おじいさんは腰に手を当ててすごい辛そうだった。

「じゃあ、私がお手伝いをしましょうか?」

「え……!」

おじいさんと祐樹が思わず声を出した。



――そしてその夜、祐樹とまつりは空を飛んでいた。ソリに乗って、空を飛ぶトナカイに連れられて。あのおじいさんの仕事とは――

「すごいすごい、空飛んでるよ! ほら、町の明かりが綺麗」

地上を指をさしてはしゃいでいる。その反面祐樹はというと。

「なんで、俺らがこんな事してる訳?」

と、頭を抱えている。祐樹もまつりも赤い服を着てまるでサンタボーイとサンタガールのような格好をしている。むしろ、そういったか格好をしている。

「まぁ……いいや、全部配っちゃおうぜ」

祐樹たちの席の後ろには大きな白い袋が乗せてあった。


――最初についたのは、少し小さめの一軒家の二階。

「えっと、袋を持って……ノックすりゃいいのか?」

祐樹は袋を背負ってベランダに飛び移った。そして、窓をコンコンとノックした。『なんだろうと?』少女の声がして、窓が開けられた。

「……誰?」

少女は冷ややかな対応をした。部屋の中にはその少女とは別に眼鏡と小さいのとボウズの3人の少年がいた。部屋の中心にあるテーブルを見ると、参考書が大量においてあった。きっと勉強会をしていたのだろう。

「俺はサンタ代行さ。ほら、君たちにプレゼントだ」

祐樹はそれぞれにラッピングされた箱を渡して足早に立ち去った。

「メリークリスマス!」


*o*

「……結局誰だったんだろう」

オレは疑問に思ったが、寒かったので窓をピシャリと閉めて学(まなぶ)・健太(けんた)・翔(しょう)の方に向き直った。

「まぁ、いいから開けようぜ。海晴(みはる)」

そういって、一足早く箱をあけたのはちっこい翔だった。

「……なんだこれ」

入っていたのはいかにも難しそうな参考書。オレらでこの問題を解ける奴はいないだろう。

因みに、オレのにも健太のにも学のにも同じ参考書が入っていた。なんなんだったんだ……あれは、本当にサンタクロースだったのか?

突然、ノックと共にドアが開けられた。兄貴だ。兄貴はお盆を持っていた。

「海晴。コーヒー淹れたから、ここに置いておくね」

「わかった」

オレが返事をすると、兄貴は「がんばってね」と言って、部屋から出て行った。


さて、もう一頑張りしますか。

***

祐樹とまつりは次の目的地に向かっていた。

あまり、離れていないが一軒家で二階というのは変わっていなかった。

「じゃあ、今度は私が行ってくるね」

そう言って、まつりは袋を持って家のベランダに飛び移った。

窓をコンコンとノックをすると、まつりと同い年くらいの少年が出てきた。

「……誰ですか?」

冷ややかな対応。

「私、見ての通りサンタクロースです」

「そうですか……」

「だから、これあげる」

まつりは一瞬窓の中を覗き込んだ。同い年くらいの少年と少女二人と後、白いワンピースを着て浮遊している少女が一人。人数を確認して、箱を五つ渡した。

「じゃあね。メリークリスマス!」

「あぁ、どうも……」

そして、少年がポカンとする中、まつりと祐樹は出発した。

*t*

さて、誰だったんでしょう?

僕はとりあえず、箱を義樹・春香・白井さん・あくりょうちゃんに渡しました。

「なんだろうな? これ」

「とりあえず、開けてみない?」

「……本」

と、もうそれぞれで箱を開けてます。僕も開けて見ます。

――折りたたみ式自転車だ! 別にほしくないのですが……

「バットだ! 欲しかったんだよな」

「これ、バイクの――」

「……これ、面白い」

まぁ、義樹も春香も白井さんも喜んでいるようで……

そして、あくりょうちゃんの箱の中から出てきたのは……

「瞬間接着剤!?」

大きい、メタリックボディの瞬間接着(らしきもの)がでてきました。何で?

「にはっ♪」

何で、ご機嫌なの? そして、それをかけないで。い、息が出来ないよ。もう固まっちゃってるよ。助けて、助けてあくりょうちゃん。


「まぁ、パーティーのお続き始めようぜ」

「そうだね」

「……うん」

待って、みんな、僕を、僕を忘れないで――そして、僕はあくりょうちゃんに真っ二つにされるのでした。

「にはっ♪」

***
next

AMaRo Project. 2014