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小説(継続中)
神サマの忘れ物
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あの青空に祈りを捧げ
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即興小説トレーニング置き場
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小説(完結)
突出幼心あくりょうちゃん
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オレと兄貴と私がいるから
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祭囃子~記憶の隅に~
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ボクはネコ
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いのししレース ピキョ村のキピ
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おにぎり落ちたそのまま食べた
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せくすちぇんじッ!
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俺が我が家にやってきまして……。
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小説(二次創作)
メルト
1

ある死神は
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俺が我が家にやってきまして……。 第7話


「で、改めてだが」

 友永がメガネのブリッジの部分を指で抑えて言う。

「わあ、その癖も一緒だ!」
「そうかい」

 ゆうきの発言をあしらいつつ、優希の方に視線を向けて続ける。

「で、ゆうきをどうすんだ? 元の世界に送り返す手段もないし」
「そうだな。帰れるようになるまで家においておくんじゃないの? 母さんも乗り気だし」
「そうだね。多分、私の服を買いに出かけるくらいだもんね」
「って、ゆうきはそれでいいのかよ……」

 メガネを抑えたままに、ため息を吐いて。
 それにしても、小名護優希の母親もまたすごい人間だよな。
 自分の子どもの異性バージョンが急に現れたのに、服を買いに出かける程の冷静さとは……その血を優希らが引き継いでいるのだとしたら、まあ納得できる。

「だが、ゆうきは良く服を買いに行ったのわかったな」
「うん。『可愛い服買ってくるね』って言ってたから」
「まあ、母さんは女の子の子どもがほしいって言ってたからな。その願いがかなって喜んでんじゃねーの?」
「そっか。私のお母さんは男の子ほしがってたけど、これは逆なんだね」
「……自分と同じ性別の子どもがほしいとか言われたらショックだけどな」
「おいおいおいおい、優希コンビで話を進めるな」

 脱線しかけたのを友永が戻す。
 放っておいたら、こいつらだけで三日三晩会話が続きそうなノリだ。
 お互いに、自分が逆の性別になりたがっていたんだから当たり前と言えば当たり前だがな。

「それと、お前ら随分と仲良さそうだけど、このまま恋人関係とかにならんのか?」
「「絶対にない」」
「即答か……」

 なんとなくは気になっていたが、同時に返答するとは大したものである。

「いや、な。アノ手のゲームだとありがちじゃんよ。夜になってあんなことやこんなことを――」
「「自分に"ハジメテ"をあげてどうすんだよハゲ!」」
「禿げてねぇよぉ!!」

 出来心とはいえ、下手なことを聞くもんじゃなかったな。

「友永、お前はわかってない」
「そう、友ちゃんわかってない」
「何がだよ!」
「「自分自身とじゃ、近親相姦とかそういうレベルじゃないんだよ!」」
「わかってたよ!!」

 そうだよ。
 例え、こいつらに子どもができたとしたら、自分自身なわけで。
 
「……すまん。想像したら、想像以上だった」
「だろ?」
「でしょ?」
「いや、なんか、聞くのがお約束な気がしたから聞いたんだが、お前らの答えかたから安心したわ」
「安心しろ」
「友ちゃんが思ってるより、私たちは健全だ」
「健全な人間が、こんな状況を引き起こすか!」

 なんてやり取りをしているうちに、一階の方から優希の母親の帰宅を告げる声が聞こえた。
 気がつけば、外も橙色に染まってるしな。

「と、じゃあオレはそろそろ帰るか」
「え~、友ちゃんお泊りしてよ~」
「そんな甘い声出すな! 迷惑だろうに」
「友永だったら平気だと思うけど」
「友ちゃんだったらいつまでもいていいよ」
「いや、オレの家族が心配するしさ、それにゆうきの家じゃないだろここは」
「バレちゃった」

 優希は気にする様子がないし、ゆうきは友永を引きとめようとしていたが、それを振りきって帰宅することにした。
 優希にも、ゆうきにも、母親さんにも「また明日来てね」とか言われたが、なんだかんだ言って友永は頼られているのだろうか。
 なんて、勘違いだと知りつつも友永は一言いって帰る。

「明日、またお邪魔するわ」
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