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小説(継続中)
神サマの忘れ物
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あの青空に祈りを捧げ
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即興小説トレーニング置き場
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小説(完結)
突出幼心あくりょうちゃん
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オレと兄貴と私がいるから
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ボクはネコ
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いのししレース ピキョ村のキピ
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おにぎり落ちたそのまま食べた
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天使見習い頑張らない
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せくすちぇんじッ!
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俺が我が家にやってきまして……。
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小説(二次創作)
メルト
1

ある死神は
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俺が我が家にやってきまして……。 第21話


「うっひゃひゃー!」
「……」

 ザパーンと、ウォータースライダーの出口から勢い良く射出されるゆうき。
 その様子を黙って伺っている友永。

「友ちゃん! もう一回!」
「……いや、もういいだろ」

 実はすでに何度もスライダーで滑り降りており、これで何度目になるのか。
 ゆうきは友永にスッと手を伸ばすが、友永は払うかのように避ける。

「なんで避けるの?」

 スライダーは流れるプールからちょっと離れたところにあり、ゆうきが優希と沙苗に気を遣っているのは明白である。
 さらに、ゆうきが友永に好意も持っているということもあり、友永もこの行為の意味に疑問を持ち始めていた。

「あのな、気を遣ってどうするんだ? もしかして、これがプールに来る目的だったのか?」
「違う! プールは単純に来たかっただけ……気を遣ってるのは本当だけど……」

 胸に手を置いて、顔を下げるゆうき。友永と目を合わせることもできずに、口元がグッと引き締まる。
 そんな様子に友永も、頭をかいて「面倒な事になったな」と言いたげにため息を吐く。

「……それに、オレはお前に好意を抱けない」
「えっ?」
「オレの知ってる小名護優希という人間は男だ。お前と付き合うことになったら、そっちがどうしたって頭をよぎるだろ。それにな、お前が好きな小段友永はオレじゃなくて、お前の世界のソイツだろ。オレじゃ代わりにはなれない」
「友ちゃん……」

 一歩、ゆうきが後ずさる。

「まあ、少しだったら代わりになってやらなくはないけど、オレを好きになるんだったら元の世界に戻って、告白の一発かます方法を考えるんだな」

 気恥ずかしそうに、友永も視線を逸らす。
 ゆうきは、目を思い切り閉じてグッと力を入れる。それこそ、友永に対する気持ちを押し込めるように。

「小名護とゆうきが違うように、オレとお前の世界のオレも別の人間だ。お前と出会って、そう思うようになった」
「友ちゃんは、私に帰ってほしいと思ってるの?」
「それは、お前次第だな。帰りたいのか、帰りたくないのか。もっとも、お前を帰す方法もわからないけどな」
「そっか。私は……私は」
「まあ、だから答えをすぐに出す必要もなさそうだからな。それまでは、代わりにしてもらっても、いい、かな」
「……友ちゃん!!」
「ぬわっ!?」

 ガバッと、ゆうきは友永の身体にタックルするかのように突っ込んだ。
 友永は一瞬よろめいたが、それを受け止めてやる。ゆうきの腕が、身体が友永と密着する。
 親友が異性になった存在だが、この体温や感触はやはり別の人間でいて、かつ女の子であるという事を実感させられる。

「うっ……ひぐっ……」
「お前、なぁ……」

 友永の胸で嗚咽を漏らしているゆうき。
 それを友永が、やれやれと認めてやる。

「ったく、今日だけだからな、これは……」

 奇跡的に周りに人はいないので、しばらくこのままで。
 願わくば、優希がここまでこないように、と友永は思うのである。
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AMaRo Project. 2014