ホーム

コンテンツ
あめいろぷろじぇくと!
Pクエスト(仮)

ボードゲーム
サモンズコール
どうぶつつなひき
星空を望む少女達の夜明け
罪ナキ少女 進ムハ断頭台
ほしあけマジックフェスティバル
じぇーけーえぶりでい!!
バトルロジティックスクェア
じぇーけーふぁいてぃんぐ!!

小説(継続中)
神サマの忘れ物
12345
678910
1112131415
1617181920
212223

あの青空に祈りを捧げ
12345
678910
1112131415
1617181920
2122232425
2627282930
313233

即興小説トレーニング置き場
12

小説(完結)
突出幼心あくりょうちゃん
12345
678910
1112131415
1617181920
21

オレと兄貴と私がいるから
12345
678910

祭囃子~記憶の隅に~
1234

祭囃子~聖なる夜に~
12

ボクはネコ
1

フタツヤネノシタ
12345

魔女の契約
1234

暗黒の契約
12345

いのししレース ピキョ村のキピ
123

おにぎり落ちたそのまま食べた
12345

天使見習い頑張らない
1234

せくすちぇんじッ!
12345
678910
1112131415
1617

俺が我が家にやってきまして……。
12345
678910
1112131415
1617181920
2122232425
2627282930
31323334

小説(二次創作)
メルト
1

ある死神は
12345

あの青空に祈りを捧げ 第27話


学校の帰り。伊知郎と次郎は鈴歌のいる病院を訪れた。

部屋は看護師に聞いて、すぐにわかった。

2人で争うかのように病室へ向かった。『512号室』だ。

病室に入った2人はまず、鈴歌の姿が目に入った。なんのも無さそうにベットに座る姿勢で小説を読んでいた。その2人に気がつき鈴歌は小説をすぐ横において、微笑んだ。

「何だ元気そうだな」

伊知郎は安心をした。次郎は喜びのあまり倒れこんだ。

「2人とも、私のために……でも……」

『でも』その一言で伊知郎も次郎もハッとして、鈴歌の事を見た。

「私、心臓に病気があって、手術をしなきゃいけないんだって。成功率は高いけど、その後、長く生きていける確率は低いって……」

静かに鈴歌は言った。3人は無言になった。聞こえてくるのは外の風の音くらいだった。

「そうか……でも、暫くは生きていけんだろ?」

伊知郎の質問に鈴歌は首を縦に振った。

「なら、ずっと俺らといようぜ。最期まで一緒にいてやるから」

次郎の言葉に鈴歌は首を縦に振った。


――その後、鈴歌の手術は成功した。

伊知郎も次郎も暇さえあれば鈴歌と一緒にいた。2人だけでも3人揃っても……


――そして、ある日、伊知郎は次郎に呼び出された。

体育館裏で2人きり。喧嘩を始めようという訳ではない。

「なぁ、伊ちゃん」

真剣そのものの顔で次郎は言った。

「なんだ? こんなとこに呼び出して」

突然呼び出され、疑問の顔を浮かべる伊知郎。

「鈴歌を幸せにしてくれないか?」

「次郎ちゃん? 突然何を……」

困惑する伊知郎。全く意味がわからなかった。そして、次郎は紙を伊知郎に手渡した。

「これって……」

まさしく、『婚姻届』だった。保証人の蘭には次郎と次郎の親父さんの名前が書いてあった。後は、伊知郎と鈴歌の名前と住所を書けばいいようになっていた。

「やっぱり、鈴歌を幸せに出来るのは伊ちゃんくらいだ。だから、俺はそのサポートに回るだけだ」

「次郎ちゃん……」

伊知郎は複雑な気持ちになった。3人仲が良かったときには戻れなくなるかもしれない。不安の気持ちと少しの嬉しい気持ちと。

「けど、保証人は成人である必要があるらしいからさ、提出は後3年はいるからな」

「……だな」

2人は体育館の裏で笑いあった。語り合った。高校3年生の冬の事だった。


そして、5年後。次郎のサポートもあり、伊知郎と鈴歌は結ばれ、子どもも生まれた。
prev next

AMaRo Project. 2014