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小説(二次創作)
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ある死神は
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あの青空に祈りを捧げ 第32話

・親父プロジェクトその5~実行~

俺と俊之君と静香ちゃんはとある場所に来ていた。


――市役所だ。


「……で、おじさん? 市役所ですよね?」

俊之君は微妙な笑いを浮かべながら俺に聞いた。

「そうだけど? まぁ、中に入ればわかるよ」

「……」

俊之君と静香ちゃんは顔を合わせてため息交じりの苦笑いを浮かべていた。

「では、行こうか」


市役所の中に入り、ある窓口にやってきた。

「今日はどういった御用ですか?」

窓口の女性が言った。俺はこう言った。

「婚姻届もらえます? 後、あいつらに書き方を教えてもらえますか?」

俺は、親指を2人に向けた。窓口の女性も指差された2人も口をあんぐりさせていた。

「……は、はい。では、少々お待ちください」

窓口の女性は席を立った。

「お、おじさん? 突然、何を……俺、まだそんなつもりないですよ」

俊之君は思いっきり顔を赤くしていた。

「そ、そうですよ」

静香ちゃんも続く。彼女も顔が真っ赤だ。

「今、提出する必要はないんだし。それに、そんな気が無いにせよ、一度書いておけば将来役に立つだろ?」

2人はうつむいて無言。無理も無いか。

「準備できました。御二人はこちらにどうぞ」

窓口の女性が帰ってきた。

「じゃ、頑張ってくれ。俺は少し席をはずしておくから」

2人の「ちょっと待って」という声を聞いて、俺は笑みを浮かべながら俺は市役所の外に出た。


まぁ、15分も経たないうちに俺は戻ってきた。

調度かは知らないが、説明は終わったらしい。『2人の』婚姻届をみるとしかと2人の名前が書き込まれた。

「ありがとうございました」

「いえいえ」

窓口の女性は苦く笑っていた。

「じゃあ、帰るか」

俺は2人に声をかけた。何だか疲れきってるな。2人は生返事をして先頭を切って行く俺についてくる。

「あ、そうだ」

俺は何かを思い出したかのように切り出す。2人は「まだ、なにか?」という表情で俺の事を見る。

「まだ用事があったの思い出した。だから、先帰っててくれよ」


――そして、2人を先に帰らせた。


俺は窓口に戻り「後、2枚もらえます?」と言った。窓口の女性は頭に「?」を浮かべながら俺に婚姻届を渡すのだった。

1枚は『アイツ』の机の中にでも、後1枚の用途は秘密だ。

*
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