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神サマの忘れ物
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即興小説トレーニング置き場
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小説(完結)
突出幼心あくりょうちゃん
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俺が我が家にやってきまして……。
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小説(二次創作)
メルト
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ある死神は
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突出幼心あくりょうちゃん 第5話


「ねぇ……本当に大丈夫?」

「この通りピンピンしてるし、大丈夫だよ」

僕と春香、そしてあくりょうちゃんが学校へ向かっています。

因みにあの後、僕はあくりょうちゃんによって無事修復されたのでした。

本当に不思議です。あくりょうちゃんは何のために僕の元へ来て、何のために半斬殺をするのでしょうか? 謎は未だに解明されていません。


そんな事を考えていると、教室の前に立っていました。いつ靴を履き替えたっけ?

とにかく、僕は自分の席に着きました。あくりょうちゃんは相変わらず、僕の肩に手を乗せて浮いています。

「よう、元気か?」

元気そうに話しかけてきたのは、僕の小学校からの友人『源 義樹(みなもと よしき)』です。義樹は野球部に所属していて、非常に上手い。夏休みを経て三年生が引退したら、部長は義樹になる可能性が高いそうです。それに、頼りになって気が利き、困った時には親身になって相談を受けてくれる、いわゆるいいヤツなのです。

「お前も、大変だな。こんなのに付きまとわれて」

義樹はあくりょうちゃんを指して、言いました。

「まぁね、でも、とても楽しいよ」

僕は笑みを浮かべる。けど、楽しいけどやっぱり疲れる。

「無理はしないようにな。辛くなったり、何かあったら俺に言ってくれよ」

「うん、ありがとう。その時は相談させてもらうよ」

会話をしていると、担任の先生が入ってきました。

「じゃあ、また後でな」

「うん」

互いに手を挙げて、義樹は席に戻っていった。


授業は何事も無く行われていきました。休み時間ごとに義樹と会話して、たまにあくりょうちゃんに斬られます。けど、授業中はそんな事は無く平和です。

あくりょうちゃんと出会ってからこんな感じが続いていますし、これからも……これから? 本当にこのままが続くのだろうか……

考えていると、肩を軽く叩かれました。振り向くとバットと荷物を持っている義樹がいました。

「今日は、久々に部活が休みだから一緒に帰ろうぜ」

「そうなんだ、じゃあ一緒に帰ろ」

僕は荷物を持って、校舎を出ました。途中、廊下で春香が追い着いて合流しました。左から春香・僕・あくりょうちゃん・義樹の順で道を歩いています。

「こういうのも久しぶりだよね」

春香が空を見ながら言いました。僕と義樹は「そうだね」と答えます。

「私達って、少しずつ離れて行っちゃうんだろうね。それぞれの道に進んで大学に行ったら、さらに離れちゃうんだよね。そして……」

春香は寂しそうに言って、途中で止まりました。そうだ、僕らは少しずつ離れていく。もしかしたら、『友達』から時間が経つと『他人』に格下げになるかもしれない。そして、あくりょうちゃんも例外なく――

無言のまま、十字路にやってきた。家に帰るには、それぞれ分れなければいけない。この『分れる』が『別れる』に変化してしまうかもしれない。それは一種の恐怖である。

「じゃあ、私はこっちだから。じゃあね」

春香は明るく言って、走って去っていきました。その明るい顔の中には寂しさも含まれていた。

「俺はこっちだから。俺も、春香の言葉を聞いて考えちゃったよ。優も考えるのはいいけど、考え過ぎないようにな。じゃあな」

義樹は一瞬僕の肩にポンと置いてから、去っていきました。

僕は、真っ直ぐ進みます。すると、正面から茶色いコートと帽子を被った『いかにも紳士です』というような男の人が向こうから歩いてきていました。
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