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神サマの忘れ物
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あの青空に祈りを捧げ
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突出幼心あくりょうちゃん
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せくすちぇんじッ!
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俺が我が家にやってきまして……。
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小説(二次創作)
メルト
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ある死神は
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俺が我が家にやってきまして……。 第16話


「……にしても、古池がいてくれて助かったな」
「ああ」

 友永と優希は、下着売り場のそばに設置されているベンチに腰をかけていた。
 近くにあった紙コップ式の自販機のコーヒーのカップを友永は飲みながら、優希に声をかけていた。
 この付近だけベンチが多いのは、そういうことだろう。

「そうじゃなきゃ、今頃オレたちはあそこにいたんだからな」
「そうだな」

 友永の視線の先、女性のための下着が並ぶ店で楽しそうに商品を見ているゆうきと沙苗。
 男子が入るには気まずい空間である。

「なあ、小名護」
「ああ……」
「お前さ」

 間の抜けた返事ばかりをする優希。

「お前、古池の事好きなんだろ」
「えぇ……エエナンデ!?」
「いや、お前、古池と合流してから様子変だし、特に顔が泳いでたぞ」
「め、目じゃなくて?」
「顔が泳いでた」

 一口、友永がコーヒーを飲んで息をつく。
 ゆうきと沙苗が、優希と友永の方を指さして楽しそうに会話をしているが、内容までは聞き取れない。

「……まあ、そう思う要因は別にもあるけどな」

 友永はゆうきの顔を見て、ため息を一度付く。
 目があって、ゆうきが嬉しそうだった。

「でも、オレは代わりにならないよな」
「友永は友永で何を言ってんの?」
「いや、ゆうきは多分、オレが好きなんだろう思ってさ」
「え、マジで?」
「ああ」

 優希は全く、気がついていないようであり、驚きが隠せていなようようである。

「でもな、オレがよく知ってるのは小名護だからな。その女版に惚れられても、オレは真剣にはなれない。それこそ、アイツの世界のオレじゃないとな」
「俺は気にしないけどな」
「お前は気にならなくても……例えば、オレの女版に『好きだ』と言われたら?」
「あ……それは嫌かも」
「それと一緒だ」

 友永のコーヒーのコップが空になって、コップが握りつぶされる。

「でも、お前と古池は、まあチャンスはあるんじゃないの? ゆうきもいるし」
「マジで!?」
「ああ、まあ、踏み出すかはお前しだいだろうけどな。さて、帰ってきたみたいだ」

 小走りでやってくるのは膨らんだ袋を抱えるゆうきと、沙苗だ。

「おまたせ!」
「ああ、お帰り」

 優希の代わりに答えるのは友永。

「でさ、ご飯食べよ、お腹すいちゃった」
「あ……」

 沙苗と出会ったことですっかり忘れていたのだが、まだ昼食を食べていなかったのだ。

「古池、ちょっと昼飯も付き合ってもらえるか?」
「ああ……そうね、せっかくだしついていきましょ」

 ということで、フードコートに戻る彼ら四人である。
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