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即興小説トレーニング置き場
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小説(完結)
突出幼心あくりょうちゃん
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小説(二次創作)
メルト
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ある死神は
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突出幼心あくりょうちゃん 第2話


僕と出会い僕の事を真っ二つにしてあっさりと治してしまった少女『あくりょうちゃん』。多分幽霊です。


月曜日は元々鬱なのに、あくりょうちゃんが僕から一向に離れようとしません。仕方ないのでそのまま母の元へ行っても母は全く気にしていなかったので、見えていないのだと思います。

時間も時間なので学校へ向けて出発です。徒歩20分程度の近場です。あくりょうちゃんは両手を僕の両肩において遠くが見渡せるような姿勢をとっています。けど、浮いているので全く重さは感じません。

「には~♪」

あくりょうちゃんはとても嬉しそうです。そういえば、まだ自己紹介をしていませんでした。

「ねぇ、あくりょうちゃん」

僕は顔を上に向けて話しかけました。それに反応するようにあくりょうちゃんは微笑み顔を下に向けて
僕を見ました。どうやら、この名前で認識しているようです。

「僕のこと、何も話してなかったよね」

しかし、あくりょうちゃんは微笑み顔から変化はしませんでした。とりあえず話は聞いてくれているようなのでそのまま続けます。

「僕の名前は『大板 優』高校生。覚えておいてね」

相変わらず、あくりょうちゃんは僕の顔見たままうんともすんとも言いませんでした。僕は顔を戻してまた歩き始めました。


学校へ行く途中に寄る所が一つ。僕の幼馴染みである『石河 春香(いしかわ はるか)』の家に寄るのです。春香は昔から寝起きが悪く、小学生の頃から毎日この様子だったりします。因みに、同じ高校です。

家のチャイムを鳴らして、このまま出てくれば一緒に行き、出て来なければ家に上げてもらい叩き起こすのです。

「やっ! おっはよう!」

今日は珍しくすんなりと出て来ました。そして、春香は僕に声をかけた瞬間目線が上に向けてその方向に指を向けるのでした。

「……ねぇ、優。その子誰?」

春香には見えているようです。不思議です。

「えっとね、この子はあくりょうちゃ……」

僕が紹介をしていると突如スパッと何か切れる音がして、視界が左右斜め下に広がって地面に落ちました。

「ひゃあ!」

春香の叫び声が聞こえて、僕の視界が今度は真っ赤になりました。僕はあくりょうちゃんに背後から一刀両断されたようです。

「にはっ♪」

あくりょうちゃんの笑い声が聞こえます。

「ん、ねぇ、優? 大丈夫?」

僕は何故か生きています。意識があります。僕はゆっくりと親指をグッと立てて前に出しました。

「それは、良かった」

……良くないけどさ。僕の視界は少しずつ回復きました。春香は2つに分かれた僕の体の真ん中を通ってあくりょうちゃんに向かって行きます。

「あんたは何者なの?」

もちろん、春香の言葉にあくりょうちゃんは反応せずにいつもの顔です。ただ、その代わりに両手で持つサイズのよく見る黄色いボトルに赤いキャップの接着剤らしきものを彼女は背中から取り出したのです。そして僕のそばまで来てキャップを外して、体の半分に接着剤を無理始めたのです。

「ぬりぬり~♪」

すごい楽しそうに塗っています。接着剤がすごい冷たいです。塗り終えたかと思うと僕の体のもう片一方を持ち上げ接着剤を塗った方の体に押し付けました。

「にはっ♪」

僕の体は無事修復完了。何事も無かったかのように立ち上がります。

「優……大丈夫なの?」

僕は生きてます。健康です。しかし、僕はこれがまだ序の口だったという事はこのときは気が付いていませんでした。


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