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小説(継続中)
神サマの忘れ物
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あの青空に祈りを捧げ
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即興小説トレーニング置き場
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小説(完結)
突出幼心あくりょうちゃん
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オレと兄貴と私がいるから
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祭囃子〜記憶の隅に〜
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いのししレース ピキョ村のキピ
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せくすちぇんじッ!
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俺が我が家にやってきまして……。
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小説(二次創作)
メルト
1

ある死神は
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俺が我が家にやってきまして……。 第1話


「ついに、この時がやってきたか……」

 少年、小名護優希(こなごゆうき)は笑みを浮かべて見下ろしていた。
 場所は、自分の部屋。高校の終業式を終え、足早に帰ってきて今ここにいる。
 片手で分厚い本を広げ持ち、薄暗い部屋でその文字を眺めている。
 真昼間なのにもかかわらず、カーテンを締めきって、明かりはろうそくの光のみとなっている。

「友永(ともなが)を呼んだし、母親にも宣言をしてしまった……」

 足元はフローリングで、床に丸めたカーペットとたくさんの書物が放置されている。
 そこには、白く描かれた円状の模様が一面に広がっているのだ。

 それは――魔方陣。

 優希は手に持っていた本を放り投げると、足元に転がるチョークを手にする。

「後は、ここをつなぐだけ」

 フローリングの床にチョークを押し付けて、模様を描いていく。
 一本の線で模様と模様がつながる、瞬間――。

「――ッ!?」

 魔方陣が光り輝き出すのだ。真っ白な光が模様に沿って光、薄暗い部屋が一気に白く染まり上がる。
 
「ついに、この時が……」

 光の次に、魔方陣からは白い煙のような気体が立ち込める。
 その様子に、優希は思わずツバを飲み込む。
 床に転がる本の表紙のタイトル、それは、

 ――誰でも女の子になるマホウの本。

 と書かれていた。

「俺は男を捨てて、女になるんだ。友永からは応援され、親父には殴られ、母親にはスルーされた」

 だが、この時、この瞬間、優希は確信した。この魔方陣は本物であると。
 今までの本は、全て嘘っぱちしか書かれていなかった。試してみたが、全て失敗であった。
 でも、この本だけは成功した。最初で最後の成功になる。

「あとは、頃合いを見計らって魔方陣の真ん中に入れば――」

 もうじき、友永もやってくる。
 女になった優希を見て、どんな顔をするのだろうか。
 女になった優希はどんなことができるのか。
 心臓の高鳴りが激しい。鼓動すら感じることができる。
 そんなことを考えているうちに、魔方陣と煙の色が青色へと変化していく。

「今か……」

 全ては書いてあった本の通り。
 一歩、また一歩と足を進めていく。
 魔方陣の内側へと入り、少しずつ中心へ向かう。
 さよなら、男の俺。優希はこの身体への感謝をすると共に、生まれ変わる身体を歓迎する。

「いざッ!!」

 勢い良く飛び込んだ、が。

 ――ゴチンッ!!

 何かにぶつかった! 勢いをつけすぎて、元いた方向へとはじかれ、カーテンを盛大に引き千切りつつ壁にぶつかった。

「イタタ……なんだ、何が起きたんだ?」

 胸を触ってみたが、なんと変化は一切起きていなかった。

「そんな……」

 その事実に優希は落胆すると同時、魔方陣の中心に人の気配を感じた。
 気体が薄くなり、太陽光を盛大に受け入れられるようになった部屋で、その人影は鮮明になっていく。ろうそくは全部倒れていたが、火は消えていた。

「誰だッ!!」

 わからないなら聞いてみろ。優希は叫んで、尋ねる。人間であれば何かしらの反応が帰ってくるはずだ。だが、優希は答えが返ってくる前に見えてしまった。

「な……なんだと……!?」

 そこにいる人物。

「アタタ……私は小名護優希だけど……」

 魔方陣の真ん中で、少女が一人、おでこをさすりながら女の子座りをしていた。
 そして、彼女は、

 ――小名護優希にそっくりな少女だった。
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AMaRo Project. 2014