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小説(二次創作)
メルト
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ある死神は
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せくすちぇんじッ! 第8話


   *

「そろそろ、授業も始まる時間か……」
 私は教室に設置されている時計を見ながら、次の授業の準備をする。
 この東條秋斗という男の身体になってから、すこぶる調子がいい感じがするよ。
 ただ、身体が少々鈍っているのと、男女差がある部分の違和感というものは拭えないがな。
 生徒会室同様、男女が全員入れ替わった教室。彼らはみな、元々自分がそうであったように振る舞っており、自身の変化には気がついていないようであった。
 話しかけてくる人間は多々いたが、それを気取られぬように私はそれっぽく話を合わせてしまった。多分問題ない。少なからず私を知ってる人間は、私を知っているという立場は変わらない。なので、良いタイミングで名前を確認すればいい。それだけだ。

 ――バタンッ!!

 などと思っていると、教室後方から大きな音でドアが開かれる音。私を含む教室にいた全員がそっちの方へと意識が向かう。
 そこに立っていたのは、女子生徒の制服――セーラー服を着こなす一人の下級生の姿。急いできたのか肩で息をしていて、苦しそうだ。
 彼女は南部夏弥……いや、北見少年と言った方が正しいか。
「会長は……いらっしゃいますか……」
「ああ、私はここにいるぞ」
 教室の中心部。私の席はここであり、すぐさま立ち上がって少年の方へと向かう。
 髪が短いのは本当に楽でいい。いっそう、元の姿に戻ったら切ってしまおうか。
「どうした?」
 今はそれよりも少年だ。
 彼が急いできたということは何が急ぎの用事だろう。
「あの、校門に怪しいバイクの集団が。全員女性だそうです」
「集団? しかも女性か……」
 はて、どこかで聞いた覚えがあるな。
 確か、昨日――
「昨日、僕達がこうなる前に伝えたじゃないですか、バイクの集団がこの付近に蔓延ってるって」
「そうだったな……となると、"彼ら"の可能性が高いか」
 南高の生徒が巻き込まれるとは思っていたが、まさかこんな時間に乗り込んでくるとは……。
「被害者は?」
「今のところはいません」
「重畳だな」
 私はそのまま少年の横を通って、教室の外に出る。
「会長? どこへ」
 という問いかけに対して、私は笑みを浮かべて答える。
「丁重にお出迎えして、帰ってもらうよ」
「え……それは危険です!」
 スカートが捲れそうになるのも忘れ、少年は一歩前に出て私の両肩をつかむ。身長差があるためか、少し背伸びをしているのが可愛らしい。
「でも、ここの生徒を危険に晒すのは生徒会長としては見逃すわけには行かないのだよ。少年は職員室に行って、その報告を頼む」
「……」
「では行ってくるよ」
 半ば強引にその手を引き剥がして、昇降口を目指す。
「会長」
 後ろからの呼びかけに、足だけ止める。
「無茶はしないでくださいよ? あなただって、ここの生徒なんですから」
「ああ、ありがとう」
 右手を上げて、その声に応える。北見少年の声が聞ければそれで十分だ。
 この身体出会っても、私の頭には解決する策はいくらでも入っている。
 きっと、大丈夫だ。
 

「やあ、兄ちゃん。アンタがこの学校の生徒会長かい?」
 いざ外に出てみれば、校門にバイクを止め、集まっている集団がそこにいた。
 敷地の中には教師陣がいるが、手を出すに出せない状況で困っていたようだ。
 フルフェイスで顔は見えないものの、随分と長い茶髪をしている者がいるため、きっと今は彼女らだろう。
 ライダースーツのようなぴっちりとした衣服で身を包み、手には刀のようなもの――竹刀を持っている。
 私に話を降ってきたのが、バイクや服が一段と飾られているリーダー格の女であろうか。歳は私と変わらないのではないだろうか。もっとも、背丈だけでの判断であるが。
「いかにも、私が南高校の生徒会長、東條秋斗だ!! 話くらいは聞いてやろう」
「ああん? 折角、出向いてやったっていうのに、随分と偉そうじゃないか」
 竹刀を一振りし、アスファルトの地面に少し傷がつく。
 しかし、自分をどれだけ偉く見ているのだろうか。数人の小さいコミュニティの中のリーダーなど、たかが知れている。
「ここは生徒が勉学を勤しむ場。どこの高校か知らないが、自らの学び舎に戻り、勤しむのがいいのではないか? 授業をサボった挙句に、無駄な時間を過ごすこともなかろう」
「な……何を偉そうにッ!! ワタシらの居場所はワタシらが作る。何をしようが勝手だし、ワタシらのツナガリを汚す奴は許さん」
「汚しているつもりはない。ただ、場所を間違えているだけなのではと指摘しているだけだ」
 ただただ、場所が欲しい。
 場所がなくなってしまうのはだれだって怖い。前にいるのは幼気な少女に見えるが、元々は男。
 怖いという気持ちを外に出すのは、プライドが許さなかったのだろうか。結局、学校という場所にいにくくなり、自ら捨てて飛び出してしまった。のだろうか。
「して、私になんの用だろうか」
「オマエはワタシらの仲間にいい思いをさせてくれたそうじゃねぇか!」
「仲間……ああ、そんなこともあったな」
 確か、あれは駅前で南高の生徒の一人がカツアゲに遭っていたから、ちょっと遊んでやった時があったな。
 私が女の時だから、相手は男だったが。しかし、そいつがこの集団の仲間だったとは。
「軽く蹴り飛ばしただけだが?」
「なんで、それだけで骨折するんだよォ!」
 教師陣の方からざわざわと声が聞こえるが、骨折する程の強さで蹴った記憶はない。
「カルシウムが足りなかっただけだろ? それとも、病院に行ったのか?」
「ざけんじゃねーよ!!」
 再び竹刀が振られ、今度は抉れた。できれば、これ以上傷つけないで欲しいがな。
「それでもし、大きな怪我をさせてしまったのであれば謝罪しよう。だが、我が校の生徒に手を出したのはそっちだということは忘れないでほしい」
 さて、後ろの取り巻きの一人がバイクに跨りだしたのはなんだろうか。もしや、こっちに突っ込んでくるではないだろうか。
「黙れよ……オマエのその態度が気に入らないんだ。生徒会長という立場を利用して人に説教をしやがって」
「少なからず、人の上に立つだけのことはしているつもりだ」
 感情には流されず、ただただ受け流すように会話をする。自分まで感情的になったら、それはもう会話ではない。
「気に入らねぇ、ワタシだって人の上に立っている。オマエと立場は一緒――」
「一緒じゃない」
 遮って、挟む。
「私は何百という生徒を守る覚悟がある。だからこそ、ここにいる。だが、お前はどれだけの人間を守る覚悟がある。ただ、偉そうぶって指示をしているだけじゃないのか? もう一度聞く、覚悟はあるのか」
 生徒会長と、ただの集まり。リーダーという肩書きだけは同じかもしれない。でも、人数が違う。
 覚悟も違う。それを一緒にされたくはない。
「……黙れよ」
 竹刀が地面に刺さったまま、リーダー格の女はつぶやき、
「ざけんじゃねーよ!! やっちまえ!!」
「――ッ!!」
 後ろに控えていたバイクが急に突っ込んできた。
 加速度は低いので、避けるのはたやすい。横に転がるようにして、バイクを回避する。制服が汚れてしまうのはいただけない。
 部下に指示して自分は何もしないのか、それでは人の上に立っているなどとは言えない。
 それとともに、あのバイク。私を狙ってもう一度突撃をしようとしている。
 周りの教師らはそそくさと校舎に逃げたり、離れたりと忙しそうだし、一つ私が解決するしななさそうだ。そう、

 ――人の上に立つものとして。

「ほら、次は逃げないでやるから全力で来るがいい」
「……貴様ッ……やっちまえ!!」
 やはり、口だけか。
 そして、バイクに乗った奴は頷き、速度を一気に上げてコチラへと突っ込んでくる。
 教師らが何かを叫んでいるが、うるさいしどうでもいい。
「死ねェェェェェェ」
 前しか見えず、犯罪者になるのも厭わぬ愚かな少女よ。
「さあ、来い!」
 逃げる必要などない。
 一点。弱い部分を突くのみ。
 真っ直ぐ突っ込むバイクの、タイヤの少し上。この部分に、突き刺すのみ。
「――くッ!!」
「う、わああああああ!?」
 流石に、この身体では堪えるか……。しかし、バイクの破壊には破壊には成功した!!
 目の前でバイクはバラバラになり、乗っていた者は私の上を回転し通過していった。
 見極めればこのくらいはたやすい。
「さて、どうする?」
 リーダー格の女に身体を向ける。本当は脚が痛む、が表情に出さない。
「く……」
 取り巻きが、吹き飛んだ者をかかえ、自らのバイクへと乗せていた。
「覚えてろ! この借りもいつか返す!」
 そして危機は去った。彼女らはバイクに乗ってそのまま立ち去っていく。
 もう来ないといいのだが、また来る可能性もありそうだ……。
 教師らは唖然とコチラを見ているが、もうとっくに授業は始まっている時間だし、皆戻った方がいい。
「……授業を始めましょう。先生」
 かっこつけて見たが、昇降口で待機していた北見少年に捕まり保健室に行く事になったのは内緒である。
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AMaRo Project. 2014