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突出幼心あくりょうちゃん
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小説(二次創作)
メルト
1

ある死神は
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ある死神は 第4話


 オレンジ色の光を背中で浴びつつ、俺と彼女は俺の部屋へと向かう。
 一人の少女の魂をあるべきところに還しただけであったが、彼女にとってはそれで大きな進歩ということだった。
「それにしても、本当に死神も魂とかもいるもんだな」
 住宅街の中を歩きながら、隣にいる彼女に語るように話す。
 彼女はやっぱり、気持ちが良さそうな表情はしていない。
「信じてくれた? わたしが死神だってこと」
「ああ、そりゃ……」
 でも、その表情の真相はまだわからない。
「なあ」
 だから、
「俺といるの、面白くなかった?」
 そんなやんわりと聞くようなことはできないから、そのままストレートに尋ねてみる。
「ううん、そんなことはないよ。あなたみたいな人と話すのは久しぶりだから」
「でも、なんか辛そうな顔をしてる。嫌だったら遠慮なく言ってもらっていいんだからな」
「違う――」

 ――ドッ。

 そんな音を立てて、彼女は『誰かとぶつかった』。
 彼女はよろめき、ぶつかった男は正面から歩いてきていたのかこちらを見たまま、少しだけ驚いた表情をしていた。
 同時に、男の足元に銀色に光る長細い何かが落ちていた。
「おっと、すまねぇ。おじょうちゃん、怪我はなかったかい?」
 俺よりも細く、不健康な男だ。すぐさま、その銀色の物をポケットに仕舞ってしまった。
「あ、うん、わたしは大丈夫……」
 だけど、震えてる。そんなに怖かったのだろうか。いや、彼女は死神だ。もっと恐ろしい体験をしているに決まってる。
「すまねぇな。オレはちょっと、急いでるんで兄ちゃん、しっかりエスコートしてやってくれよ」
「あ、ああ……」
 文句をいう暇もなく、その男はささっと立ち去ってしまう。
 残った俺たち。震える彼女に、
「どうした? 震えてるぞ」
 声をかける。顔は真っ青で、
「どうして、わたしが見えるの……?」
「あ」
 そうだった。
 本当は誰にも見えない存在だった。俺は何故か見えてしまってるが、あの男は……?
「……早く戻ろうか。ちょっと、聞きたいことがある」
 困惑してる彼女。でも、いつまでもここにいる場合でもない。


「本当は、『死んでしまった魂』か『死に近い人』じゃないとわたしの姿は見えないの」
「死に近い……」
 俺の部屋。俺だけがコンビニで買った弁当を食し、彼女は対面に座って語っている。彼女は食事の必要がないらしい。
「でも、いわゆる幽霊が見える人も死に近いんじゃないのか?」
「それはそうだけど、よっぽど強く見える人じゃないとほとんど見えないの」
「……」
 じゃあ、俺はなんなんだ? あの男は?
「それに、今日は二人もそういう人と出会ったから」
「俺と、あの男だな」
 因みにあの男もちゃんと生きてるらしい。
 彼女は暗い表情のままに、うつむきつつ頷く。
「じゃあ、さ。死に近いっていうのは具体的には、やっぱり……」
 と、言葉にしかけてハッとする。
 俺は確かに変な体験はしてきたが、絶対霊感が凄まじく強いわけではない。
 それなのに、彼女が見えたのだ。それに、彼女が時折辛そうな表情を浮かべるのだ。
「……言えなくて、ごめんね。本当はいつ言おう、いつ言おうって思ってたんだけど」
「あ、ああ……そういう、事だったのか」
 なんとなく、手元にあったリモコンでテレビを付けてしまった。まあ、無音よりマシか。
 でも、その手元もガクガク震えてる。
 彼女も、顔が見えないほどに顔をうつむかせていて、たまに光がそこからこぼれている。
「まったく、俺も罪な男だな。こんなに可愛い女の子を泣かせちゃうなんてな」
「……」
 テレビのニュースで、さっき見た少女の顔が出ているように見えたが、もう頭に入ってこない。今はもう、俺と彼女の世界だけに入っている。いや、俺だけの世界か。
「でも、お前は何も悪いことをしていない、俺は楽しかった。お前さえ楽しければ、それでいい一日だった」
「……」
 俺は目的もなく生きていたと思っていたのに、いなくなってもいいと思っていたのに、何をためらっているんだ。
「俺は……俺は……」
 ただいなくなるだけならよかったのに。彼女と出会ってしまったから変わってしまったのかもしれないな。
「なあ」
「……」
 彼女はぐしゃぐしゃになってしまっている顔を上げて、無理をしたような笑みを浮べている。
「俺は……いつまでなんだ?」
「それは……」
「それと、お前に迎えに来て欲しいな、なんて」
 俺も引きつった笑いになってしまったが、出来る限り彼女に悲しい思いをさせたくない。ただただ、そう思った。


 そして、俺はリミットを聞いた。その日から外に一切出ず、やり残したことを終わらせるかのごとくパソコンの前に座り続けた。彼女は一度、俺の家から発ち、迎えに来てくれることを約束してくれた。
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AMaRo Project. 2014