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小説(二次創作)
メルト
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ある死神は
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天使見習い頑張らない 第3話


  3
 
 ……遅い。
 結構な時間が経ったはずだ。
 なのに、二人はおろか人っ子ひとり出てきやしないじゃないか。
 これはおかしい。
「よっ」
 軽く勢いをつけて飛び降りる。
 羽をはばたかせて、勢いを殺しつつ、
「とう」
 手を両手にあげて着地。オワタポーズ。
 同時に、羽を消す。
 周りにいる人にすごい目で見られている気がしたが、私は気にしない。
 で、どうしたものだろうか。
 少し、覗いてみることにした。
 植え込みをかき分けて、そこから窓ガラスの中を眺めてみる。
 覆面をした人間が、黒光りする長い物(卑猥な意味ではない)を手に持って擦っている(決して卑猥な意味ではない)。
 それと、怯えた表情を浮かべる加奈子を含むたくさんの人達。
「……あー」
 私は植え込みから出る。
「……」
 おもむろに入口の方へと向かう。
 ここら辺を歩いている人は気づかないのだろうか。
それとも、興味がないのか。
もしくは、巻き込まれないようにしらんぷりをしてるのか。
「……めんど」
 できれば、こういう事は専門の人間さんに任せたいんだけど。
 しかし、動く人間がいない以上やるしか無い。
 それに、黙ってついてきてしまったとはいえ、友人のピンチなんだ。
 銀行の入り口の自動ドア(……近づいても開かない)。
 右足を持ち上げて、
「てい」
 ――ガシャン!
 裏回し蹴りが豪快にドアに突き刺さる。
「「「――!!」」」
 丈夫でなかったそれは、私の一撃に耐えられず豪快な音を立てながら木っ端微塵になった。柔いな。
 あー、見られてる見られてる。
 覆面の男から従業員の人に、加奈子カップルに。
 すっげー、注目浴びてる。
 まあ、あんな音立てたんだから仕方ないよな。
 でも、空気を読んでくれたようで加奈子は何も言わない。
 いや、むしろ何が起きてるのかわかってない?
 どちらにせよ、こちらとしては少しありがたい。
 ついでに、覆面の男が何かを思い出したかのように、黒光りするアレをこちらに向けてきた。
「テメェ、何モンだ!」
 カリカリして、よくないな。
 天使の力その……いくつか忘れた。
「――何ッ!?」
 覆面さんがすごく驚いた。
 他の人もすごい驚いた。
 いや、私はちょいと数メートル瞬間移動しただけなのに。
「いつの間に!」
 そう、いつの間に移動してなにが悪い。
「よーし、お前ら――」
 私は覆面男に背を向けた。
銀行にいる人達に指をビシッと差しながらゆっくりと告げる。

「――天使見習いが助けに来たぞー」

 ……え、どうしてそんな残念な人がきたみたいな顔してんの?
「嬢ちゃん? 今の状況わかってんのか?」
「うん、わかってるつもりだけど?」
 おー、こわい。嘘だけど。
「なら、そこに伏せな。伏せておけば、命は保証しよう。だがな」
 このおいちゃん(格下げ)は黒光りのソレを天井に向けて撃った。
 爆発音がここをこだまする。
 中にいる人達は、火事だ地震だと騒いでいる。嘘だけど。
 でも、騒いでたの事実。
「テメェ含め、調子に乗ったことをしたら、ここに居る人間を適当にぶっ殺していくからな!」
 どうやら、今はできるだけ時間を稼ぎたいらしい。
 きっと、銀行の裏で従業員の人たちがお金を詰めているんだろう。
「ふーん」
「テメェ!」
 おー、キレた。
 最近の若者はキレやすくて困るね。
 それに、他の人もビビりすぎだ。
「撃てば?」
 だって、疲れるけど天使の力を使えば誰にも傷すらつけられんよ。
「いいやがったな? 可哀想に。テメェの発言のせいでここにいる人間の命が失われていくんだからヨォ!」
 黒の物体においちゃんが指をかけた。
 その先は従業員のねーちゃんに向けられている。
 その指に力が入ってゆく。
 私は、
「――”右腕を天井へ”」
 言葉を紡ぐ。誰にも聞こえない大きさで。
「――ッ!?」
 同時に銃声。
 だが、その弾は私の紡いだ言葉通りに天井へと向かっていった。
 これで、穴が二つになった。
 天使の力の一つ。
 MP消費とかないけど、疲れるんだよねこれ。
 この力はジャミングと私は呼んでいる。
 人の意思を操るとこができる。
 本来、恋を成就させたりそういう使い方らしいが、こういう使い方でもいいよね。
「……?」
 そして、ここにいる全員が今ここで何が起きたのかわかっていないようだった。
「ほーら、もっと撃ってみ」
「――チッ、やってやろうじゃねぇか」
 ほうら挑発に乗ってくれた。
 これで、弾を使いきってくれるとうれしいな。
 カッとなってるおいちゃんは、懲りずに引き金を引こうとしている。
「――”人差し指を固定”」
「――ッ!!」
 これで、撃てまい。
 でも、弱点があるんだよな。
「もういい! テメェを後悔させるために後回しにしていたが」
 そう、天使は本来、自己の欲はもたない者。
「先に殺ってやる」
 銃口がこっちに向く。
 あー、ダメか。
 というか、弾をなくすのが目的なのにどうして固定しちゃったんだろう。
 それは、一弾一弾いちいちジャミングしなきゃいけないから。
 やっぱり、失敗だったな。
「……あばよ、勇者気取りの×××××野郎」
 自分に対する、攻撃はジャミングできないんだよな。これが。

 ――そして、銃声が銀行中に鳴り響いた。

 あー、私の体が宙を舞うのがわかる。
 加奈子や他の人間の悲鳴も聞こえる。
 そして、おいちゃんのしてやったという表情が目に入って、意識が途切れた。

 ……といいつつ、意識が途切れたのは一瞬だけだったり。
「――何ッ!?」
 他の人も驚いて悲鳴を上げたりもしている。
 なんで、人間は大げさなんのかな。
「……」
 私は壁の方まで吹っ飛んでいたようだ。
 脚力だけで立ち上がって、ぶらりとだらしなく腕をぶらりとさせる。
 天使の体は便利なもので、体には傷ひとつつかないのだ。
「……」
 しかし、私は許せない物があった。
 それは、学校の制服の胸に穴が開いたこと。
 下着まで丸見えで。
 調達、マジで面倒なんだぞ。
「……チッ」
 ……コロス。
「瞬間移動」
「え?」
 私は天使の力で、ヤツ(格下げ)の背後に回り込む。
 そんなんで、驚くようでは遅い!
 足を横にスライドさせて、ヤツの体を浮かせる。
 そのまま、腕を叩いて銃器をへし折る。
「嘘だろ!?」
「――”体は着地せず”」
 ジャミングでヤツは宙で止まる。
 すかさず、
「グフォ!!」
 足を振り上げる。
「――”体は浮き上がらず”」
 こうなったら、物理法則だって乱してやる。
 私の足がヤツにめり込む。
 同時に、ヤツの浮き上がろうとする力が私に伝わり、私が浮き上がる。
 その反動を利用して、反対足でかかと落とし。
「――”体は重力を感じる”」
「がはッ」
 ヤツはついに、赤い反吐を出してまるでボールのようにバウンドした。
「……私に歯向かったことを後悔するんだな」
 私は天使ならぬ笑みを浮かべながら、
「――出ろ。リーサル・ウェポン」
 体全体から様々な銃器を呼び出す。
 機関銃・アサルトライフル・ビームレーザー・マシンガン……あ、一緒か。
 その銃口が一斉にヤツに向く。
 まだ、意識があるようで、死人のように顔を真っ青にしている。
「じゃあね、×××××野郎」
 両手にある、引き金を引く。
 両手を握るだけで全ての銃器が火を噴き始める。
 天使の最終兵器。
 ドドドドババババと、空薬莢が一気に床にまき散らされる。
 銃口からの煙が煙幕になり、視界を一気に奪っていく。
「……終わったか」
 全ての銃器の弾がなくなり、何も発射されなくなったのを確認してそれらをしまう。
 煙出立ち込める中、私はとある人物へと向かう。
「……ひッ!!」
 ――加奈子カップル。
 あー、滅茶苦茶ビビってるな。
「なんというか」
 私は、一つ深呼吸を……ゲフッ。

「――幸せになれよ」

 それだけを告げて、私は羽を呼び出して銀行から去った。
 後処理は、流石に専門家に任せるのがいいだろう。
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AMaRo Project. 2014