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小説(完結)
突出幼心あくりょうちゃん
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小説(二次創作)
メルト
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ある死神は
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突出幼心あくりょうちゃん 第3話


あくりょうちゃん。僕を突然、斬ったり縫ったり貼ったり。そんなちょっと変わった彼女。一人の友人に彼女のことを知られたことはまだまだ序の口だったとは想像もしなかった……


「――へぇ、そういうことだったんだ」

一応春香にあくりょうちゃんの紹介をした僕は学校を遅刻しそうなため、春香と共に早足です。そしてあくりょうちゃんは僕の肩を掴んで浮遊しています。彼女には体重と重力という観念は無いようです。

「けど、あくりょうちゃんって背丈は私たちと同じくらいだけど、結構幼い印象を受けるよね」

「そうだね。する事とか言う事とか……ね」

しかし、なんと言っても春香にあくりょうちゃんが見えたのだから、学校に着いたら見える人は見えるのだと思います。しかし、この考えは甘すぎるものだった。


とか思っていると、もう僕の教室の前です。

「いい? 学校で鎌とか針とかボンドっぽいものとか出さないでね。あくりょうちゃん」

僕が注意を促しますが、当然のことながらあくりょうちゃんは僕の顔を見るだけでうんともすんとも言いません。

「優。いいから教室入っちゃおう」

「あっ、うん」

覚悟を決めて、レッツゴーです。I can flyです。僕は教室のドアを思いっきり開け、大きな一歩を踏み出します。まるで転校してきた初日みたいです。

ドアを開けるのに力を加えすぎてガタンと大きな音が立ち一瞬にして注目の的です。

「バカ優」

春香の一言がすごい痛いです。そして、クラスの男子たちが集まってきます。

「おい、優。その子誰だよ」

「浮いてるって事はコイツって幽霊か?」

「優。ついに憑かれたか」

恐怖の質問攻め。騒ぎを聞いて今度は女子まで集まってきてもう大変です。何ともクラス全員にあくりょうちゃんが見えていたのです。しょうがない、紹介するか。

「この子はあくりょうちゃんっていって――」

僕は適当に紹介しました。ネーミングセンスが無いと言われましたが皆はあくりょうちゃんで納得したようです。

すると先生が教室に入ってきました。とっくにチャイムは鳴っていたようです。

「おい、みんな! 早く座れ」

先生はあくりょうちゃんに目もくれずに座るように指示をする。もしかして、大人には彼女が見えないのだろうか……

「ね、あくりょうちゃん」

って、あくりょうちゃん? 何で鎌を取り出してるの? クラスのみんなが引いてるよ。ちょっと、振りかぶらないで。あ、うあぁぁぁぁぁぁぁ……

僕は縦に真っ二つにされて左右に分かれました。

「お、おい! 大板、大丈夫か?」

先生。僕は大丈夫です。生きてます。僕は親指を立てて前に突き出しました。


「にはっ♪」

そして、あくりょうちゃんは僕を針でつなぎ始めるのです。これから、僕はどうなってしまうのでしょうか?
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AMaRo Project. 2014